コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: Mistake . ( No.112 )
- 日時: 2010/11/25 00:00
- 名前: 或 ◆zyGOuemUCI (ID: hqWYiecP)
【Happy Birthday ? Dear Ryota】
「はっぴばーすでーいでぃーあ、かしわぎー」
ものっすごい棒読みで、それはもうある意味天才とも言える棒読みで、如月先輩は歌って……言ってくれた。うん、言ってくださった。お世辞にもあれを歌とは呼べない。だって音程もクソもない。
「もう立派なおっさんじゃない?」
「そんならお前も同い年なんだからおばさんだぞ」
「死.ね柏餅」
ひでぇ……。何なんだこの理不尽な暴言。俺はただ正論を述べただけだというのに。
愛沢の理不尽だが何故かぐさりと刺さる言葉に呆然としていると、峰岸先輩が苦笑しながら生クリームたっぷりのスポンジケーキの上に苺がのっかっている王道のケーキを綺麗に四等分して、その内の一切れを先程百円均一ショップで購入した紙皿に載せて渡してくれた。
「あ、有難うございます峰岸先輩」
峰岸先輩のさり気無い優しさに感激しつつ、俺は渡されたケーキを見て若干冷や汗をかいていた。
実はその、俺はあんまり、生クリームという物が好きではない。大量に摂取すると、その異常とも言える甘さによって胃もたれや胸やけを引き起こすからだ。
「うわー、お前せこいわ。なにちゃっかりできる先輩アピールしとんねんオラ」
これから起こるであろう体の異変に恐怖していることなどつゆ知らず、如月先輩は峰岸先輩に文句を言っていた。
「あほか、アピールなんかしてへんわ。ケーキ取り分けただけやん」
「そーれーがアピールや言うてんねん」
「ほなお前が残り取り分ければええやろが」
これは……争いが勃発しそうな雰囲気なんだが……? 俺は一体どうすればいい? 誰か助けてっつってもここには俺以外にケーキを極視していて他のものは見えてないと思われる愛沢しかいないし、最早誰もこの二人を止める事はできないだろう。
じゃ、俺に残された手段は? ……いえす、放置! もう知らない! どうにでもなれ!
──さよなら俺の幸せな誕生日!