コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: - 青 春 色 〆_ ( No.165 )
- 日時: 2010/06/11 19:05
- 名前: 里楓 ◆ZPJ6YbExoo (ID: TLzyWqX6)
- 参照: !! (∀)__空斗って良い名@元そらね
— 8話 〆
「 ・・・を使う事によって———となるので、 」
教科書にのっているままの図を、先生は黒板に書き写す。あぁ、なんて面倒くさい事をやらせるんだ。
丁度今は、理科の時間だった。朝一番の科目が理科なんてテンションが下がるも同然だ。まぁ、好きな奴もいるが。
あんまり楽しくもないし、先生が優しくも無い。男だし、意味分からないし。
国語が良かったなぁ、先生が若い女の先生だし。ちょっとばかし、好みだし。
まぁ、これは理科が嫌いで、見た目で先生を判断する男子の意見なのだが、人それぞれ個人差もあるだろう。
何より、若い人は話しやすい。理解力があるんだよなぁ、怒りやすい男の先生は、絶対足の裏が、臭そうなんだよな。
手にも汗握ってたりしてさぁ。それほど暑くも無い日に、首に汗を書いてたり・・・今日もそれほど暑くは無いな。
そんなことを考え出していると、今日はお天気お姉さんの顔を見ることを忘れていた事に気付き、もっとテンションが下がった。
録画するには・・・ビデオに前から録画してあるもの消さなければならないが、たかが3分ちょい程だけで、潰したくも無い。
ペンを進めるフリをして、もくもくとノートに落書きを始める。全く絵に才能が無い男子の中でも、俺のは一級品の気がする。
それでも、落書きが好きな俺は何度も書き続けるものの、進化、進歩と、共に無しである。
「 はぁ・・・ 」
溜め息を大きく吐き出す。胸の奥からもやもやしていたものが出て行くようで、また戻ってくるようだ。
ふと、誰かに見られている気がして、後ろの方に体をむけ、辺りを見回す。
「 ——? 」
誰も俺のほうを向いていない・・・少々胸に引っ掛かるようだったが、先生が図を記入している黒板の方に体を向ける。
図は丁度書き終わったところで、「書き写してください」と指示が出た。俺はガクッと肩を落とす。
そんなんだったら、教科書に書いてあるんだから、わざわざ時間を都って図を書くより、書き写せと最初からいえばよかったのにと、
考えてしまうのは果たして俺だけなんだろうか、そんな風に感じ考えながら、ノートに図を書き写していると、
すっと、白く細い腕が上がるの後継を俺は目にした。
「 どうした?相沢 」
白く細い腕は、たださされるのを待っていたと言う風に、名前を呼ばれると同時に降ろされた。腕を上げたのは、相沢だった。
「 その図は、教科書の49頁に書いてあります。そちらを写しても、問題は無いはずですが。いいですか? 」
は?と先生の口から間ふけな声が洩れる。俺は静かに笑いを堪え、先生の表情を見ている。
いかにも、気付かなかったと言う風な顔でいて、苦悶のような表情を浮かべ、最終的には怒り、言葉を吐き捨てる。
「 ・・・好きにしろっ!! 」
俺はどこか心の奥底で、相沢とは意見が会うなと感心したような気がしていた。