コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 青 春 色 、 _| 17うp ( No.296 )
- 日時: 2010/08/31 13:59
- 名前: 真臣./*゜ ◆ZPJ6YbExoo (ID: n/BgqmGu)
- 参照: 元 そ ら ね ...(ω)
18
「 カラオケ代は? 」
俺は慎重に植田に聞いていく。
こいつは嘘をついた事はあんまり無いが、
うまく丸め込み騙された事が過去数件ある。
その度に過ぎ去った月のカレンダーをメモ紙にして
植田君への恨みのレターを書いていたっけな。
どんな内容を書いた忘れてしまうほどに書いたよ。
「 そだな、よっしーが払ってくれる?
だから行こうよ? 」
「 断固拒否、じゃあな 」
絶対に嫌だ。なんで誘われた挙句、代金を
払わなければいけないのだ。いいかい、植田君
世間じゃそれは【パシリ】とか言うんじゃなかったけ。
ああでも植田君は頭が悪いからね、わかんないよね
「 待てよ、よっしー!女子も連れて行くから、ね? 」
気持ちが悪い。お前彼女いたろ女子連れて行って
お前調子こいたら彼女とおさらばだぞ。
あ、でも俺はそれでもいいや。植田の不幸は俺の幸福。
あいつだけ彼女できて幸せなんか絶対嫌だ。
「 同じことを二度言わせるな 」
俺は走ってその場を逃げようとするものの、
植田も走ってぴたりと後ろに張り付いて
追いついてくる。お前が払えば行ってやるよ。
「 よっしー。よく考えろ、パシリと言う汚名を
背負えるのはお前しかいない。 」
明日、植田直人君は処刑されます。
誰も悲しまないでしょう。彼は本当の馬鹿です。
彼の母親もあんな出来の悪い息子をもった
私は不幸ですというと思います。
パシリと言う汚名を背負うのは植田ではなければ
俺はカラオケという場所には行かない。
どれだけ美人の姉ちゃんが揃おうとも。断固拒否。
遂に下駄箱が見えてくる。あそこで靴さえ手に入れれば
俺はエアコンの涼しい自分の部屋へとダイブ出来る。
だが、この植田と言う猛獣をどうにかしなければ
俺のパラダイス、楽園は無い。靴を奪われたら俺の負け。
俺が靴を手に入れたら価値、シンプルなルールだ。
だが、後ろにいる植田には陸上部というハンデがある。
これは俺にとって辛い勝負だな。これに勝たなければ、
俺の財布はチャラだ。札も小銭も消えてしまう。
これは一種の生存競争なんだ。
そして俺は駆け抜ける。下駄箱の人込みを。
植田は陸上部なだけあってあっと言う間に
俺に追いつく、俺は透かさず植田の足を引っ掛ける。
勢いよく転ぶ敵を見て、俺はぶふふっと
気持ちの悪い笑いを出しながらも
俺はその隙をついて靴を 手 に す る 。
勝者は
俺、 芳田知良だった。