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第１５話『やってみようかな？』


あの事件から少し経った。

クラス内では、３月にある合唱祭に向けて練習が始まった。

ある日、先生がこう言った。

「え〜っと、合唱祭では『取り組み発表』っていうのをやるのね。
う〜んと、日ごろのクラスの練習状況とかを作文用紙にまとめるの。
で、その作文を発表してみたい人、いる？」

私は心の中で、「やってみようかな？」と思った。

その場の空気で、手は挙げなかったけど…。

そしたら、航太が「そこは緋香里だろ〜！！」って言ってくれたんだ。

「え〜っ！！ムリムリ〜！」って言ったけど、ホントはものすごく嬉しかったんだ。

航太がそう言ってくれたおかげか、私はますますやる気が出た。

でも、気付いた。

“私１人でやるのはヤダな…”

なので、奈月を誘ってみることにした。


休み時間に奈月に「一緒にやろう！！」と声をかけた。

奈月は意外にもあっさりＯＫしてくれた。

なので、先生のところへ希望すると伝えに行った。

そしたら、「そっかー…。実はもう１組やりたいって人がいてさ…」って言ってた。

「誰？？」と２人で聞いたら、「亮哉と拓也」と言われた。

私、それを聞いた瞬間ドン引き。

拓也は、クラスで１番うるさい男子。

チャラい所がある。

亮哉は、航太との両想い発覚時に出てきた。

どうやら亮哉は、拓也に誘われて、というか、強制的に付き合わされたらしい。


先生と相談して、拓也たちに話して勝負することにした。

４人で話し合った結果、「作文対決」に決まった。

実は、私は国語が大好き。

得意分野だったから、嬉しかった。

私と奈月は部活の定休日に集まって作文を仕上げた。