コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

*魔法使いさんの出張* ( No.1 )
日時: 2010/05/22 21:44
名前: リコ☆ (ID: Se9Hcp4Y)

第一話 「出張」

1、人間のセカイ。

深夜の街に一つの影が。

上空を回り、何かをつぶやいた。

「こっこかぁ〜〜〜〜」

あたし、マリアはホウキに乗りながら言った。

初めての人間界。きっと、楽しいんだろうなぁ!

<<マリア。あんまりはしゃぐと、ホウキが折れるぞ>>

きれいな水色の石のペンダントから声がした。

「大丈夫だって。ワタリ。いまどきの魔法使いのホウキは頑丈だよ」

あたしは、さっきよりも激しく腕を振ってみた。

「ほらねっ!」

ボキッ

「ん? なんか今鈍い音が・・・って落ちてるぅ!」

<<だから言ったのに>>

「だから言ったのにじゃないでしょ〜! たすけてぇぇぇ!! ワタリぃぃぃ!!!」

<<無理だ>>

「ちょっとぉぉぉぉおおおおぉぉ!!
きゃああああああぁぁぁぁああぁぁぁ!」

ワタリとマリアは遥か下に落ちて行った。

         ☆

ピチュピチュ……

「ん……?」

あたしは、鳥の声で目が覚めた。

人間界にも鳥がいるんだなと思いながら。

(あ、れ…?
あたし……なんでここにいるの…?)

マリアのいるところは、やけにシンプルで、なにかのポスターが貼られていた。

こんな部屋、見たこともない。

そういえば……上空から落ちたんじゃないっけ?

(あ、ワタリ!!!)

あたしの首にワタリは・・・・

ぶらさがってない!!

(ワタリ、どこっ!)

あたしが辺りを見渡すと会ったのは…

(人間!?)

ワタリではなく、人間だった。

(あたし、なんで人間の部屋に…
ってゆうかその前に、ワタリ!?)

『ワタリ〜……』

小さな声でワタリの名前を言うと、

<<マリア。大丈夫か?>>

(ワタリだっ!)

あたしが寝ていた、もふもふの(ベット)なかにいた。

『無事でよかったぁ…』

<<そんなによくないぞ。マリア。落ちるのを防いだのはいいが、ココは人間の住みかだ。どうする?>>

(あ、そうだったぁ……さっきの人間、起きてないよね…?)

あたしが、そっと顔をのぞくと、

人間は目を開けた。

「………!」

人間がびっくりしたように口をぱくぱくした。

(ヤ、ヤバ……)

「ワタリ」

<<ん? どうした?>>

「人間に変身して」

<<なんでだ>>

「ちょっとやってもらいたいことが……」

あたしが言い終わった後、人間の言葉にならない叫びが響いたのであった。

続く