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Re: 裏表Love Fight! +実話+ ( No.113 )
日時: 2010/06/10 17:49
名前: 絵磨 ◆VRtMSlYWsU (ID: uRjlitq/)
参照: HYの『NAO』の歌詞がまったく今の自分の気持ちと同じ(( 

第七十三話『曇り空な態度』


**


「……むむ」


さっき愛可に会ったせいで——。
なんかイライラするなぁ。


そんな私は現在、委員会が終わった和美と吹部の舞夜と一緒に玄関で立ち話中です。


「依麻の話聞いてたら、私もイライラしてきた」
「でしょ!? 舞夜はわかってくれるかい!?」
「うん! 大体愛可ね、小学校同じだったんだけどすごく嫌われてたんだよ? 沙羅たちに虐められてたのに、今は沙羅たちとすごく仲いいしさぁ……」


舞夜は、腕を組みながらそう呟いた。
愛可って沙羅たちに虐められてたのか……。
なんか、意外だ。


「……じゃあ気を取り直して、人の靴当てゲームをしよう!」
「なにそれ〜」


私たち三人の笑い声は、廊下中に響いた。
玄関って、色々面白いよね!
個人的にいい事ある気がするし、好きだよ。


「——じゃあ、まず二組のこの靴から!」


和美の掛け声と共に、私たちは頭を抱えた。
靴だけじゃ特徴掴めないよ……。
あは、でもこの難しいところがたまらんのだ!


そう思って考えていると、


「……!?」


怜緒と駿二と、サッカー部の中島が歩いていた。
見れば、怜緒の顔はなんだか赤く見えた。
……視力が悪いし、目の錯覚かも知れないけど。
私と怜緒は、目が合う。
しかし怜緒がすぐに逸らした。


「……姫吉〜」
「……っはい、シラケ〜」


中島が怜緒の名前を呼びながら、二組と四組の靴箱へ向かった。
怜緒は軽く笑いながら呟く。
すると、


「お前なんでここに居んの」


駿二が話しかけてきた。
私は駿二を軽く睨みながら「待ってる」と言った。
その瞬間、駿二の顔が更にブサイクになった。


「え!? 彼氏を!? 姫吉を!?」
「な!? ち、ちち違うし!!」


駿二が怜緒と中島の所まで聴こえる声で叫んだ。
私の顔は真っ赤になり、思わず大声で否定してしまった。


「ビックフェイス、うるさい」
「黙れ婆ヘア」
「ふん」


駿二が陰で言われてるあだ名……。
『婆ヘア』
かっこつけてワックスをゴテゴテに塗り、髪の毛を爆発みたくさせてるから、そんなあだ名がついたのだ。


駿二は私を馬鹿にしたような顔で見下し、鼻で笑う。
そして怜緒たちのほうへ向かい、去っていった。


「……っ」


怜緒に会えた事が、凄くびっくりしてて。
怜緒に会えた事が、凄く嬉しくて——。


思わず、顔がニヤけてはいないだろうか。


「…………」


そんな事を思いながら頬を擦る、曇り空な放課後。