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Re: 嫌いに、なれたら +実話+ ( No.135 )
日時: 2010/06/12 23:07
名前: 絵磨 ◆VRtMSlYWsU (ID: uRjlitq/)
参照: 「好き」と言われることが どんなに幸せか感じたい(by.NAO

第八十二話『最悪の前兆』


**


「——あ、依麻!」
「ぬ?」


体育館からお茶を飲みに部屋へ戻ったときに、和美と舞夜と会った。
二人は、私を見るなり目を輝かせて近づいてきた。


「今こそ告白の時だ!」
「へ!?」
「姫吉好きだ〜! って!! ほら、行くよ!!」
「え、ちょ、待って……!! 私、告白する気なんてないよ!!」


今回は告白する気なんか全くないのに——!
私は二人に無理矢理引っ張られた。


*男子の階*


「姫吉の部屋ってどこだろー?」
「探さなくていいよ……」
「だめ、ここで言わなきゃ後悔するよ?」
「いや、今回は言わないと決めてたんです」


私が何を言っても、二人はずんずん進んでいく。
そして男子の部屋を一つ一つ覗いて……。
ある意味、危険行為ですよ。
中で着替えてたらどうするんですか。


「……あ、ケットン! 赤アリ〜!」
「おう!」


和美と舞夜は、ケットンと赤アリというあだ名の男子を見つけた。
二人は笑顔でこっちを見ている。


「……あ、変態な人だ」
「は? ……変態の人って、私?」
「そうだよ、しかも見た感じペチャp」
「あぁぁぁぁ黙れ」


何こいつ、赤アリのくせに!!
赤井陸——……。
隆盛並みにヤバイ奴!!


そう思っていると、


「赤アリ、ケットン。協力してほしいの」
「は? 何を?」
「依麻が今から姫吉に告白するんだけど……。部屋どこかわかる?」
「まじで!? あ、部屋ならここだよ。そして、今四組の男子は風呂に入ってるよ」


赤アリは、お風呂の方を指差した。
ていうか、何告白するとかって言ってるんですか!!
私は告白しないよ!!


「依麻ね、姫吉に添い寝してあげたいんだって! そして抱きついて、キスして……」
「うっわ、引くわ〜」
「依麻やば」
「ちょ、違う!!」


何を言っとるんですか、舞夜!!
添い寝もキスも抱きつきもしないよ!!!
あぎゃぎゃぎゃぎゃぎゃ!!


「赤アリ、お風呂場に行って姫吉呼んで来て! 依麻のために!」
「ラジャーッ!」
「ちょ、待て糞アリ!!!」


糞アリ……いや、赤アリは猛スピードでお風呂場へ向かった。
私は舞夜と和美にガッチリと両腕を掴まれてるので、逃げたくても逃げることが出来なかった。


「——今、姫吉は(放送禁止用語)洗ってるって〜!」
「ぶっ」


赤アリの発言で、私は思わず吹き出した。
その瞬間、和美と舞夜も笑い始めたので、その油断した隙に私は逃げた。


「……あ、依麻待て!!」


舞夜が大声で叫びながら、私を追いかけてきた。
私は時間をかけて一階と二階を行き来して逃げるが、行き止まりの所で和美に捕まってしまった。


「——さぁ、行くよ!! もう姫吉上がってきてるみたいだから!!」
「ひぃぃぃぃ」


私は和美に凄い力で引っ張られながら、一階へと向かわされた。




——この時、無理矢理にで抵抗して逃げればよかった。
泣いてでも叫んででも、逃げればよかった。


そうすれば、あんな悲しいことが起きなくてすんだのに——……。
でも、そう思ってももう遅くて。