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Re: 嫌いに、なれたら +実話+ ( No.153 )
日時: 2010/06/16 17:35
名前: 絵磨 ◆VRtMSlYWsU (ID: uRjlitq/)
参照: 塚淌果淦弊折斌淦! 岶探牢弊折斌淦!♪(by.ひょっとこ←

第八十八話『憎たらしいどんぐり』


塾があった金曜日——。
そして土日を挟んで、今日は月曜日です——……。


「……憂鬱だ」


月曜日は基本的いつも憂鬱だ。
しかし、今週は毎日が憂鬱だ。
気まずいよ、学校行きたくないよぉぉぉぉ!!!


そう思いながらも、進んでいく足が憎い。
私はため息をつきながら、心の中で愚痴を零していた。


**


「ひ・め・よ・し〜!!!」


綾と恋バナin廊下にて。
山吹櫂と福島和希が、私に向かって「姫吉」と連呼する。
私は呆れ顔で「うるせぇ」と呟いた。


すると二人は連呼するのをやめたと思いきや、大声で叫びトイレへ向かった。
その時に、ちょうど怜緒が私の横を通り過ぎた。


向かう先は、男子トイレ……!?


「——お、姫吉ちょうどよかった」
「は? 何だよ」


男子トイレから櫂の声が聞こえた。
——まさか……!!!
そう思ってると、


「依麻、依麻」
「な、何……っ——!?」


櫂の言葉で恐る恐る振り向くと、案の定怜緒が居た。
櫂と和希が、怜緒を抑えている。
和希も櫂も大きいから、より一層怜緒が小さく見えるよ……。


「ほら、姫吉〜!」


櫂と和希が怜緒をこっちに向かって押すが、怜緒は軽く笑いながら二人を押し返し、去っていった。
すると綾は「もう、何あれー」と呟いた。


「姫吉クンもさ、絶対依麻に告白されて嬉しいよね」
「えっ」
「なら付き合えばいいのに! ばーかっ!!」


綾は、大きく叫んだ。
私は目を丸くしながら戸惑う。


すると、今度は望が横切ってきた。


「……あ、ストーカーだ」
「は!?」
「姫吉のストーカー」
「意味不、糞どんぐりくたばれ」


私は望に向かって暴言を吐いて睨んだ。
望は鼻で笑うと、そのままどこかへ去っていった。


「腹立つ……あいつ」


私は小さく呟き、望に向かって舌打ちした。


*放課後*


「ストーカー、ストーカーストーカー」
「うるさい」
「姫吉のストーカー」


廊下で望とすれ違った瞬間、ジャージ姿の望に「ストーカー」連呼される。
横には同じくジャージ姿の続海……。


いつもなら居るべきはずの、怜緒の姿は見当たらなかった。


「ストーカーって勝手に決め付けんな、馬鹿」
「じゃあ、なんで三回も姫吉に告白したの?」
「……っ!? そ、それとこれとは話が別!!」
「ふ」


私が焦りながら叫ぶと、望はまた鼻で笑い去っていった。
本当にむかつくな、こいつ……!!


「望、そろそろ部活行くぞ」


続海が、望のジャージの裾を引っ張った。
望は「おう」と呟く。
そうだそうだ、早く部活行けアホ。


「じゃあな、ストーカー」
「うざい!!」


望が笑顔で呟いたので、私は望の背中を叩いた。
結構いい音がなる、望の背中。


「……っ私も、帰らなきゃ」


あぁ、無駄な時間だった!!
これからは望の横を通り過ぎる時、注意しなきゃ!!


私はそう思いながら、教室にバックを取りに戻った。