コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 嫌いに、なれたら +実話+ ( No.166 )
- 日時: 2010/06/17 18:19
- 名前: 絵磨 ◆VRtMSlYWsU (ID: uRjlitq/)
- 参照: 塚淌果淦弊折斌淦! 岶探牢弊折斌淦!♪(by.ひょっとこ←
第九十一話『心のブレーキ』
*給食時間*
私は手を洗うため、素早く水のみ場へ向かった。
怜緒たちと会わないよう、なるべく早く水のみ場へ行って帰ってこようと思った……の、に……。
「……居るし」
なんでこういう最悪なタイミングで居るわけ?
もう、こっちは精一杯想いを押さえつけてるのに……!!
私はロボットみたいな動きをしながら、手を素早く洗って教室へ戻ろうとした。
しかし、
「依麻〜!! 姫吉が話あるって〜!!」
続海が大声で叫んだ。
私はフリーズしながらも、ゆっくりと振り向く。
見れば、怜緒は続海に掴まれながら暴れていた。
「いや、続海いいから」
「依麻、早く来い!!」
怜緒は逃げようとしてるし、続海はひたすら叫んでいる……。
これ、行った方がいいのかな?
それとも、逃げたほうがいい?
「依麻早く!! 姫吉が依麻に言いたい事あるって!」
「いや、あれは無理。あれは無理」
「……あ、姫吉!!」
私が突っ立ってる間に、怜緒は逃げていった。
続海は「あーあ」という顔をしている。
てか、あれは無理って何?
あれって私?
それとも、言葉かなんか?
きっと、話なんて『俺は依麻が嫌い』とかでしょ?
そうに決まってる、もう目に見えてるもん。
「……」
それでも、やっぱり胸がモヤモヤした。
*教室*
「……」
給食準備中。
給食当番の人は、一生懸命給食を配布している。
教室に戻っても、やっぱりモヤモヤは取れない。
あぁ、『あれは無理』って何が無理なんだろう。
せめてそれだけは知りたい……!!
そう思ってると、
「もう依麻〜、さっきせっかく姫吉が呼んでたのに……」
続海が来た。
私は顔を上げ、続海の顔を見る。
それと同時に「知りたい」という衝動に襲われた。
「……ねぇ、続海」
「ん?」
「さっきのなんの話だったの?」
私は思い切って聞いてしまった。
続海は、私の顔を一回見てから黒板の方を向いた。
「……告」
「は? ——いてっ」
続海はその一言だけ呟くと、私の頭を叩いて去っていった。
なんだよ、「告」って!!
……もしかして、告h
「なんて、ありえるわけねぇだろ!!!」
私は自分の机を何度も叩いた。
嫌いなのに、告白なんてあり得るわけがない。
続海の妄想だ。
絶対続海の妄想だ!!
「あがががががががっ」
なんか混乱する!!
そして腹立つ!!
これ以上期待させんなボケ!!!
「……はぁっ」
私は大きくため息をついた。
このとき、自分で「それはあり得ない」と考えながら、胸の奥のどこかでほんの少しだけ期待をしてしまった。
自分でもわかっているのに、もうブレーキがきかないんだ。
もう、自分の心が言う事を聞かないんだ。