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Re: 嫌いに、なれたら +実話+ ( No.187 )
日時: 2010/06/19 19:09
名前: 絵磨 ◆VRtMSlYWsU (ID: uRjlitq/)
参照: 塚淌果淦弊折斌淦! 岶探牢弊折斌淦!♪(by.ひょっとこ←

第九十三話『冷たい嘘』


*放課後*


私は、イライラとショックの気持ちでいっぱいだった。
あぁ、なんなんだよ馬鹿!!
そうでした、期待した私が馬鹿でした!!


「……キーッ!!」


私は、奇声をあげながらその場で地団駄を踏んでいた。
すると、タイミング悪く望と櫂がやってきた。


「おい、依麻」
「あぁ?」
「姫吉が『さっきは死ねって言ったけど、やっぱり付き合ってもいいよ』だって」
「——……は?」


望の一言で、私は固まる。
今、なんて?


「うぉぉぉぉぉ!? やったじゃん依麻ぁぁぁぁ!!!」


私の思考回路が色々考えてるうちに、横で盗み聞きをしていた綾が興奮し始めた。
そして、私の両肩を掴み揺さぶり始める。


「う、嘘だ。私はもうそんな嘘、信じないからね」
「は? 本当だし」
「嘘だ……、嘘だ嘘だ!!」


私はその場で叫び、誰も居ないトイレへと逃げた。
そして、とりあえず自分を落ち着かせる。


「落ち着け、自分……」


まず、出来事を整理しよう。
水のみ場で、続海に呼ばれて……。
昼休みに、今度は望たちに呼び出され……えーと。
怜緒に大声で「死ね」って言われて——。


そして、この状況にいたる。


「……いや、これは罠だ。期待させておいて、あとから嘘でしたパターンだ」


私は独り言を呟きながら、自分を言い聞かせた。
うん、期待するな依麻。
第一、あの望のいう事だぞ?
信じるな、依麻。


私はそう心の中で念じながら、再び廊下へ出た。
すると、


「姫吉がキモイって」
「!? ……し、知ってるし」


すぐ横に望が居た。
見れば、怜緒も居る。
私は一瞬怯むが、すぐ理性を取り戻し前を向いた。


「さっきの嘘だから」
「……へぇ、やっぱり」
「姫吉がお前にOK出すわけねーだろ」


望がそう馬鹿にした口調で言い放った。
私はムカついたので、望を睨んで教室へ向かおうとした。
その瞬間、




   「お前なんか嫌いだし、キモイしウザイ〜!!!」




「……っ」


怜緒っぽい声が聞こえた。
ううん、これは間違いなく怜緒の声。
私の耳が、怜緒の声じゃないと否定しているだけ。


紛れも無く、何回も聞いているあの愛しい声。


「——……っ」


嫌いなら、近づいてこないでよ。
嫌いなら、そういう嘘つかないでよ。
嫌いなら、あんな笑顔見せるなよ。


     嫌いなら、期待させないでよ——……!!