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Re: 嫌いに、なれたら +実話+ ( No.215 )
日時: 2010/06/23 22:21
名前: 絵磨 ◆VRtMSlYWsU (ID: uRjlitq/)
参照: そんなひどい事は聞きたくなかった by.カノンロック-失恋疾走曲-

第九十六話『避けられてる?』


「駿、錬太郎〜」


次の日——。
廊下に居る怜緒は、珍しく望とは居なくて……。
駿と錬太郎と一緒に居ます。


そして私は、その三人の背中を教室の影から見守っています……なんて。


「…………」


男子達と騒いで、輝く笑顔を零している怜緒——。
あぁ、それだけで私の目の保護です。


恋って、本当に恐ろしい。
改めて思う、今日この頃であった。


*放課後*


「終わった終わった〜。家でのんびりだす」


私は伸びをしながら、素早く廊下へ向かった。
さぁ、帰ってパソコン……と言いたい所ですが、


「……今日、塾だ……」


忘れてた。
やべ、宿題やってないや……。
あひ、時間までに間に合うかな……?
恵の部屋でやらせてもらおう。


そう思いながら恵のところ……五組へ行こうとした時、


「!」


水のみ場の近くの窓に寄りかかっている怜緒と、軽く目が合った。
私はすぐ逸らしたが、気づかれないように横目で怜緒で追った。


すると、


「……!」


怜緒はずっとこちらを向いていた。
私は思わずドキッとしてしまい、咄嗟に目で追うのをやめた。


偶然だ、これは偶然。
——だけど、やっぱり少し来たいしちゃう私って——……。
つくづく、本当に馬鹿だなぁって思う。


「……恵〜。今日塾の宿題やってないからさ、また家でやってもいいかな……?」
「いいよ、私もやってないから」
「本当? じゃあ、一緒にやろ!」


私は五組のドアに寄りかかり、そう笑った。
恵も軽く笑い、頷く。


「依麻、カバン取って来るから待ってて」
「あ、おっけー」


私がOKサインを出すと、恵は自分の席へ向かった。
私はその間、廊下を見渡していた。
怜緒、もう水のみ場には居ないんだなぁ……。


そう思ってると、水のみ場と反対の廊下から怜緒たちが歩いているのが見えた。
しかし、軽く目が合った瞬間……。


「早く!!」


私の横を慌てて走り去っていく、怜緒と望と錬太郎。
今のって……?
もしかして、


       避 け ら れ て る ?


「——……?」


そうに決まってるはずだよ、うん。
昨日も紙で顔隠したし……。
避けるほど私が嫌なんだね、うん——。


なんだか、軽く胸が痛んだ。


**


「——あれ、あれって錬太郎……?」


恵と塾へ行く最中——。
自転車に乗った、錬太郎の姿が見えた。
錬太郎も私たちに気づき、驚いた顔をしている。


「よぉ、バカ依麻」
「うるさいよ」
「まだ姫吉の事好きなの?」
「はぁ?」


何回同じ質問繰り返せばいいんですか。
ここは素直に「はい」と言うべき?
これは「はい」と言う運命なの?
神様は私にどうして言わせたいのですか?


「……ふ」


私が俯いて固まってると、錬太郎は鼻で笑って去っていった。
私たちも、慌てて塾へ向かう。


……が、


「……同じ塾かよっ!!」
「何だよ、知らなかったの?」
「知らなかったよ、何この展開」
「ふ」


私がパニくっていると、錬太郎はまたもや鼻で笑い去っていった。
さすがに、この状況には恵も驚いている。


「同中で同じ塾……多いね」
「うん……」


私と恵は、呆れながら顔を見合わせた。