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Re: 嫌いに、なれたら +実話+ ( No.235 )
日時: 2010/06/25 17:06
名前: 絵磨 ◆VRtMSlYWsU (ID: uRjlitq/)
参照: そんなひどい事は聞きたくなかった by.カノンロック-失恋疾走曲-

第百一話『ボタンと好きな人』


**


「そんな事があったんだ……」
「うん……。なんなんだろうね、全く」


現在、私は琉佳と近くのフード店で語っております。
本当は勉強する為に会ったんだけど、いつの間にか恋バナや世間話に——……。


とりあえず、あの後は結局怜緒たちは帰っていった。
私は和美と舞夜に学校近くの公園まで連行されたが、「やっぱり明日話そう」ということになって、無事に帰宅。


何もされなくてよかったけど——。
なんか、納得いかない。


「……依麻、何かあったら私に言ってね。今日はいっぱい語ろう」
「……琉佳ぁ……。ありがとう!!」


私は笑顔で琉佳にお礼を言った。
琉佳も可愛らしい笑みを浮かべる。


その時、


「ボタン盗むなって、人の悪口言うなって〜!!!」
「!?」


嘲笑う悪魔の声が聞こえた。
この声の正体は——……!!


「しゅ、駿二……」
「最悪だな、お前」
「だから、私は盗んでないし言ってねぇっつーの!」


私は軽くキレる。
駿二は軽く怯みながら「証拠は?」と言う。
私は睨みをきかせながら「和美と舞夜が全部押し付けた。……信じられないなら、綾とか玲於奈に聞いてみな」と鼻で笑った。


すると、駿二は「そうなの?」と呟いた。
そして横に居た続海と櫂と一緒に、私たちの横に座る。


「姫吉怒ってたぞ?」
「あぁ、怒ってたよな。めっちゃ激怒してた」
「…………」


冷や汗が、背中を伝った。
怜緒が激怒……。
やばいよね、さすがにそれは。
絶対許してもらえない、うん。


「あいつ、好きな人居るしな」
「うんうん」


好きな人——。
それは、沙羅でしょう?
沙羅じゃなければ、愛可?
愛可じゃなければ、一体誰——……?


ダメだ、考えれば考えるほど辛くなる。


「姫吉がこう言ってたぞ。『俺はちゃんとした好きな人にボタンあげたい』って」
「…………うん」


胸が痛んだ。
頷くことしか出来なかった。


そうだよね。
ちゃんとした好きな人に、ボタンあげたいよね。
今回の場合は、無断で第二ボタンとられた上に、怜緒が嫌いな相手——……つまり、私がそのボタンを持ってるんだから。


迷惑、だよね。
あぁ、これ以上迷惑かけたくなかったのにな——。





     どうして、こうなっちゃうんだろう?