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Re: 嫌いに、なれたら +実話+ ( No.243 )
日時: 2010/06/25 20:16
名前: 絵磨 ◆VRtMSlYWsU (ID: uRjlitq/)
参照: そんなひどい事は聞きたくなかった by.カノンロック-失恋疾走曲-

第百三話『悪口letter』


好きな人に信じられないって、


どれほど辛いものなんだろう。




次の日——。
私は怜緒を探す為、琉佳と一緒に廊下へ出た。


今日は実はというと、期末テスト二日目。
なので、廊下は一通りが少ない。
滅多に廊下に出ない怜緒は、居るのだろうか——……?


「……依麻、水飲んでもいい?」
「いいよいいよ、私その間に探してるね」
「うん」


琉佳が水のみ場へ向かい、私はその近くで辺りを見回していた。
やっぱ、皆勉強してるから居ないかぁ……。


そう思ってると、


「依麻」
「!?」


望の私の呼ぶ声が聞こえた。
振り向くと、そこには望と櫂と——。


          怜緒が居た。


「……っ」


三人は、私の方へゆっくり近づいてくる。
私は思わず息を飲みながら、少しずつ後ずさりした。


「依麻」
「な、何?」
「姫吉から、手紙」
「え……」


望が、小さく折りたたまれた紙を私に押し付けた。
怜緒からの手紙——……?
私は驚きながら受け取り、それを握り締める。


「……依麻、依麻も手紙渡したら?」


横に居た琉佳がそう言った。
そうだ、タイミングいい……!
ていうか、怜緒も手紙書いてきたなんて予想外だ。


「——……はい、これ。ボタン挟まってるから」


私は望に手紙とボタンをあげた。
怜緒と櫂は顔を見合わせ、望を見る。
望も二人を見ながら、無言で方向転換。


そして「うわーっ」と無邪気に叫びながら去っていった。


「わ、わわわわ渡しちゃった」
「依麻、よくやったね! ……それで、姫吉からの手紙は?」
「あ、え、えーと……」


小さい紙の裏には、『えまへ 姫吉より』と書かれていて、ぶさいくなハートマーク(おそらく望が書いたもの)がたくさん書いてあった。


「どれどれ……。——……っ!?」


私は、手紙の内容を見て唖然とした。


『死ね×100000000

ぼくはわる口を言う人がだいっきらい
半径10m以上ちかよらないで
ちかよったら90000000円もらう

最後に一言
デメキン死ね』


「……な、なんじゃこりゃ……」


字汚いしひらがなばっかだし……。
何、九千万円って。
払えるわけねぇじゃん。
10mってどんだけ離れてるんだよ。
デメキンってなんだ、デメキンって。


「なにこれ、酷……。依麻、大丈夫?」
「……」


三上依麻、十四歳。
生まれて初めて男子に手紙をもらいました。
そしてそれを書いた人が、好きな人で。
その内容が、悪口だらけで。
意味のわからない請求を出されて——。


『近寄らないで』
『死ね』
『だいっきらい』
『デメキン』


全部の言葉が頭の中で混ざり、私はその場にぶっ倒れそうになった。