コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 嫌いに、なれたら +実話+ ( No.245 )
- 日時: 2010/06/25 21:28
- 名前: 絵磨 ◆VRtMSlYWsU (ID: uRjlitq/)
- 参照: そんなひどい事は聞きたくなかった by.カノンロック-失恋疾走曲-
第百五話『全ての真実』
その日の帰り——。
珍しく私は、和美に「一緒に帰ろう」と言われた。
「……」
「……」
一緒に帰っているため、二人で歩道を歩いているが——。
なんか、沈黙が続く。
何か喋らなきゃね、うん。
私は小さく口を開いた。
「あ、のさ」
「ん?」
「——その手紙、どうするの?」
私は和美の手に持ってる手紙に、視点をあわせた。
和美は私が書いた手紙を、ずっと片手に持っている。
「あぁ、これ? ……どうしようかな」
「いらないなら、私に頂戴。……処分するから」
「そう?」
私が小さく呟くと、和美は手紙を私にたくした。
私は小さくため息をつき、手紙を乱暴にポケットにしまった。
「……この手紙見たとき、怜緒たちなんて言ってた?」
「へ? ……うーんと、『何これ、きも』とか『誰も信じねぇよ』って言ってた」
聞かなきゃよかった。
相当のダメージだよ、これ。
私は更にテンションが下がった。
「——……実はさ、依麻。……絶対秘密だけど、」
「……ん……?」
「この手紙書かせたのね——……。
舞夜なの」
*再現*
その日はちょうど、昨日——。
依麻が、手紙を書いた日だった。
つまり、簡単に言えば火曜日の事だ。
火曜日の午後、舞夜と和美は依麻の家へ向かっていた。
そしてチャイムを鳴らすが——。
「……居ないし、アイツ」
ちょうどその時、依麻は琉佳と共にフード店で、駿二たちと話している頃だった。
舞夜と和美は顔をしかめ、その場で話していた。
「どうする? ……依麻だったら、恵の家か綾の家とかじゃない?」
「うーん……。こうなったら、望の家行く? すぐそこだし」
「え、望の家!?」
和美はさすがに目を見開いた。
舞夜の口から望の家が出てくるとは——……。
そう思ってると、舞夜はずかずかと望の家の前へ行き、豪快にインターホンを下ろした。
インターホン越しから、望の《はい》と言う声が聞こえた。
《……誰?》
「舞夜と和美だけどー」
《は? 舞夜と和美? ……何しに来たんだよ、もうすぐ俺の家に陽夢が来るんだけど》
「いいから、ちょっと頼みごとがあるんだって!!」
望が面倒くさそうに話していると、舞夜が怪しげな笑みを浮かべた。
まだ何も知らない和美は、それを黙って見つめていた。
《何、頼みごとって》
「……依麻に、手紙書いてくれなぁい?」
舞夜は、両手を合わせて呟いた。
望は《手紙?》と頭にクエスチョンマークを浮かべた。
舞夜は、笑いながら話を続ける。
「そう、手紙。姫吉からってことにして——。依麻をおとしいれたいんだけど……。協力してもらえない?」
《……そういうことなら、いいぜ! じゃんじゃん協力する!!》
望は一気に声色を明るくし、《ちょっと待って、今玄関行くから》と叫んだ。
舞夜と和美が笑いながら待っていると、数分後に笑顔の望が出てきた。
「お待たせ! ……で、どうすんの?」
「……まず、望は姫吉を電話で呼んで! 本人が書いたほうが一番いいから」
「わかった!」
望はスキップをしながら、電話を取りにいった。
その間に、和美と舞夜は紙と鉛筆の用意をする。
すると、何も知らない陽夢が来た。
「……何してんの? てか、望は?」
「陽夢!! ちょっとさ、頼みごとがあるんだけど——……」
舞夜が、陽夢の耳元で呟いた。
陽夢は「いいけど」と呟いて、OKサインを作った。
すると数分後、望が戻ってきた。
「姫吉、今来るって」
「わかった!! じゃあ、姫吉が来るまで待ってよう。それまで、作戦会議ね」
こうして、舞夜の闇作戦会議が始まった。