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Re: 嫌いに、なれたら +実話+ ( No.250 )
日時: 2010/06/25 22:08
名前: 絵磨 ◆VRtMSlYWsU (ID: uRjlitq/)
参照: そんなひどい事は聞きたくなかった by.カノンロック-失恋疾走曲-

第百九話『告白の真実』


「——依麻ちゃんっ!」


中休み。
放心状態でもはや人間を捨てた私に、華南ちゃんが駆け寄ってきてくれた。
華南ちゃんは、私の顔を覗き「大丈夫?」と言う。


「ふへ、おほほみししっぴ」
「……依麻ちゃん、さっき聞いたんだけどね」
「うほうほ」
「愛可ちゃんと姫吉のこと」
「う……ほ?」


私のマヌケな顔は、更にマヌケになった。
華南ちゃんは笑いを堪えながら、ゆっくりと話をしてくれる。


華南ちゃんは、駿二と席が近いため——。
さっきの会話が、バッチリ聞こえたのである。


「あのね、昨日姫吉は愛可ちゃんに嘘告したんだって。駿二と続海は、姫吉と一緒に居て見張ってたの」
「へ? ……嘘告?」


嘘告ですと?
ていうか昨日って、雨に打たれてたときのことじゃん?
そんな日に、君は愛可に——。


と、いう事は。
華南ちゃんのいう事が本当なら、昨日駿二たちに出会ったとき、もう怜緒は愛可に嘘告白し終わっていた——……んだよね?


「うん。なんかね、最初姫吉は依麻ちゃんにするつもりだったんだけど、依麻ちゃん家に電話かけても出なくて——……。愛可ちゃんにしたんだって」
「え」


最初の嘘告のターゲットって——……。
私 だ っ た の !?
危ねぇ、昨日でかけててよかった……。


「……」


なんてね。
嘘告でも、ちょっと羨ましい私が居る。
嘘でも、君に「好き」って言われてみたい。


それがたとえ嘘でも。
気持ちを弄ばれても——……。


     「好き」って一言、言われてみたい。


「——それでね、愛可ちゃんマジギレしたんだって」
「ぶっ」


愛可がマジギレ……。
なんか想像すると、面白いかも。
てか、怜緒可哀想な気が……。


「わかった、ありがとう!」
「いえいえ〜」


私は華南ちゃんにお礼を言って、廊下へ出た。
するとちょうど、愛可と駿二と続海が居た。
自分的に嫌なメンバーだ……。


「——お前、姫吉に告白されたんだろ? どうなったの? 昨日」
「別にどうもなってないし! それも違うって!! 嘘って聞いたもん!!」
「本気だよ、姫吉は」


駿二が、大きな声でそう言った。
なんか駿二と愛可の口調が、嫌味っぽく聞こえるのは私の気のせい?
——いや、気のせいじゃない。


      わ ざ と だ コ イ ツ 等


「…………っ」


華南ちゃんは嘘って言ってたけど——。
それは、本当なの?


怜緒は愛可に本当の告白をしたの——……?
それとも、やっぱり嘘?
どっちのいう事が本当なのか、わからないよ。





胸が押しつぶされそうなくらい、愛可と駿二の話を聞いているのが辛かった。