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Re: Break Youth +実話+ ( No.53 )
日時: 2010/05/21 22:13
名前: 絵磨 ◆VRtMSlYWsU (ID: MT1OWC7F)
参照: 想い続けてればきっと叶うから そうだよね(by.STEADY

第五十九話『ひょっとこ悪あがき』


次の日——。


「……はぁ」


ただいま三上依麻、誰もいない教室にいます。
いくらなんでも早く送りすぎだろ、じいちゃんよ。
まだ八時じゃないか、いつもなら家出てる時間じゃないかぁぁぁぁぁ!!!


「……」


眠い……。
心が落ち着かないし、全然眠れないし。
昨日のことを整理してみよう。
えぇっと——……、


朝っぱらから、衝撃的宣言されて。
荷物まとめて。
地獄屋敷へ行って。
鬼婆と会って。
地獄屋敷でしばらくをすごす——……と。


「……あひょ」


あぁ、なんか今更だけど色々ヤバイ展開だね。
こういう不幸パターン、何度起きれば気が済むんでしょう。
あぁ、不幸再来〜!!!


私は窓の外を見ながら、ため息をついた。


**


六時間目。
六時間目は、学年集会。
私はフラつきながら廊下で整列していると、


「ミカミミカミー」
「……何?」


ひょっとこが話しかけてきた。
私はテンション低めに返事をした。


「ミカミ、コッチミテテ」
「え?」


ひょっとこは、男子トイレを指差した。
何もありませんが……。
私は目をそらすと、ひょっとこは「ミカミ、ミテロヨ」と声を上げた。


「チョットマッテテネ、ズットミテテヨ」
「……? う、うん」
「モウスグダカラ」


なんなんだ、ひょっとこ。
私は首を傾げながらも、男子トイレ周辺を見つめていた。
すると、


「ホラ、ヒメヨシーッ」
「!?」


怜緒がダッシュでトイレから出てきた。
そして、四組の方向へ向かっていった。
——おのれ、ひょっとこ……!!
私の顔は、少し赤くなった。


「ミカミ、ヨカッタナ!」
「うるさい!」
「レオガイテヨカッタナ!! イェーイ」


ひょっとこは一人で喜び始めた。
それと同時に、駿二は私を見る。


「何照れてんの、付き合ってるわけじゃないんだし」
「……っう、うるさい!」


駿二が冷たい目で私を見たため、私は一気に我に返る。
私は駿二を睨み付けて、壁の方を向いた。


「……っ」


そうだよ。
付き合ってるわけじゃないのに——。
浮かれるな、私!!


私は頬をつねりながら、そう自分に念じた。