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コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: Break Youth +実話+ ( No.70 )
- 日時: 2010/05/25 22:11
- 名前: 絵磨 ◆VRtMSlYWsU (ID: MT1OWC7F)
第六十五話『広まる噂』
次の日——。
「依麻〜」
三時間目の終わり——。
珍しく、和美が私の教室の前に来た。
私は首を傾げながら、和美に近づく。
「和美、舞夜! どうし」
「依麻って転校するんでしょ!?」
「——え」
舞夜の一言で、私は固まる。
——そうだ、和美に言ったんだ。
『転校するかもしれない』って……。
でもさ、一応「かもしれない」って言ったじゃないか!!
しかも和美、なんで舞夜に言う!?
「依麻、ばいばい」
「ちょ、気が早」
「そうだ、依麻。これ、望から」
気が早い舞夜の横で、和美はポケットから何かを取り出した。
……白い、束ねた糸くず……?
「何それ」
「望から、依麻へ『転校しても虐められないように』ってお守りだって」
「なっ!? ……これが、お守り?」
ただのゴミ……いや、糸くず束ねただけじゃん。
てか和美、望にまでバラしたのか……。
望の気遣いは嬉しいけど、なんか複雑な心境だよ。
今更、「引っ越さなくなりました〜っ!!!」……っていうのも、おかしな話じゃない?
和美の誤解&バラしたおかげで、みんな勘違いしてるし。
ここで私が引っ越さないっていうのを伝えると、なんか責められそうな気が……。
*依麻の妄想*
「てめぇ、うそつきやがったな!! お守り返せ!」
「依麻、引っ越すっつったじゃん!! この嘘つき!!」
「もう絶交だし!!」
「川に沈めるぞ!!!」
「ひ、ひぃぃぃぃぃごめんなさい!!! ……ぎゃあああああああああ」
チーン……。
*妄想終了*
——ってことになったら困る!!!
どうしよう、どうすれば——……!?
「じゃあ依麻、今までありがとー」
「ばいばーい」
気が早いぜお二人さんよぉ!!!
私はその場で硬直した。
衝撃的な展開から、始まった波乱——。
やっと波乱が過ぎ去ったかと思ったのに、
今度はこれですか!?
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