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Re: Break Youth +実話+ ( No.86 )
日時: 2010/06/03 20:25
名前: 絵磨 ◆VRtMSlYWsU (ID: uRjlitq/)
参照: 今進まなきゃってそう誓った(by.You bet!!

第六十七話『幻聴』


次の日の放課後——。


騒がしい廊下。
三上依麻、恋の傷が塞がらないままです。
あぁ、恋って本当に恐ろしい……。


「……はぁ」


日々ため息つく回数が増えていく気がする。
あぁ、いつ平和な日常が訪れるのだろう……。
早く怜緒への胸の痛みを消したいよ。


そう思ってると、前から怜緒が歩いてきた。
——あーあ、なんてタイミング悪い。
私は足を止めるわけにもいかず、ぎこちなくなりながらも足を進めた。


「……」


あぁ、気まずっ!!
良く見たら、小さくて見えなかったけど(失礼)望が居た。
あーあ、絶対何か言われるよ……。


そう思ってると、


         「バカ依麻」


「……え?」


私は思わず足を止め、振り向いた。
今、すれ違いざまに怜緒のバカ依麻って声が聞こえた気が——。
でも真っ直ぐ向いてたよね?
ってことは、私の幻聴!?
ぎゃあああああああああ!!!!


「……自分が怖い」


恋も怖い。
あぁ、もう全てが怖い!!
誰かHELP!!!


私はそう思いながら、廊下を彷徨っていた。


**


「——み、かみー」


なんか、遠くから三上って聴こえる……。
望のことかな?
……ちょうど近くに望と怜緒が居るけど、二人とも動じてないし。


と、なると……。
また幻聴?


「三上——————っ!!!!!」
「ひぎっ」


いや、これは幻聴じゃない!!
全力疾走で、すごい形相をした担任が叫びながらこちらに向かってきた。
what? 今度は幻覚ですか!?


「三上依麻っ! お前掃除サボるな」
「掃除? ……あぁ、忘れてた」
「早く来い!!」


掃除サボったのバレたか、ちくしょー。
私は廊下のど真ん中で、先生に睨まれる。
そして廊下から聞こえてくる、笑い声。
は、恥ずかしい……。
望と怜緒も笑ってるし……。
大体先生よ、廊下の真ん中で叫ばないで下さい。


「……三上、早く来いって」
「……はい……今行くと思いますよ」


私は降参して、その場で肩を落とした。
さっさと帰ってればよかった……。


そう思いながら歩き出すと、誰かに足を引っ掛けられた。
私は「望だな」と思いながらも再び歩き出す。
すると、





           「三上ー」




「……!?」


私は思わず振り向いた。
怜緒らしき声で、三上ーって聴こえた気が……。
またもや幻聴か!? 幻聴なのか!?


「……あああ」


耳の中と頭の中で、怜緒の声がリピートされている。
もうダメだ、私は異常だ。


……こういう日は、早く帰って寝よう。うん。


私はそう思いながら、担任の後へついていった。