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Re: Break Youth +実話+ ( No.88 )
日時: 2010/06/03 20:57
名前: 絵磨 ◆VRtMSlYWsU (ID: uRjlitq/)
参照: 今進まなきゃってそう誓った(by.You bet!!

第七十話『君の気持ち』


次の日——。


「……あ」


本日、程よい快晴!!
そんな一時間目の時、グラウンドに居る怜緒を発見した。


「……今日体育なのかぁ」


怜緒たち、走り幅跳びしてる……。
怜緒は何メートル飛べるんだろう……?
すごい気になる!!


「……」


その時間、私は授業に集中せずに——。
ずっと怜緒の方に集中していた。


**


「体育だー」


二時間目。
今度は私たちが体育。
一時間目は四組と三組が体育だったから、もしかしたら玄関で怜緒と会えるかも!! ……なーんてね。


「華南ちゃん、行こ〜」


私は幼稚園の頃同じクラスだった華南ちゃんを引っ張って、玄関へ向かった。


*玄関*


——現実は、そんな甘くはない。


「……居るはず、ないかぁ」


玄関に到着するが、もちろん怜緒は居なかった。
現実は甘くねぇな、うん。
玄関は静かすぎるくらい静かだしね。


「……行こうか……」


私は靴を履いて、立ち上がる。
すると、玄関のドアが開いた。


「——いやぁ、疲れたな〜」


男子の大群が現れた!!
……って、見えないけど声的にその中には怜緒は居ない。
なんか図体でかい人たちがいっぱいだし……。
素通りするけど、とりあえず横を過ぎるのを待つか……。
その時、


「!?」
「!」


男子の大群の中で、怜緒と目が合った。
が、数秒した後怜緒に逸らされる。
……って、怜緒!?
嘘——……!? 
なんであんな暑苦しい図体でかい大群の中に!?


「……うひょ」


なんか、嬉しい——。
会えないと思っていたからこそ、会えたときの喜びがハンパない。
やばいぞ、これはやばいぞ!!


「行くぜーっ!!」


私は玄関のドアを思い切り開けて、外へ飛び出した。
なんだか、今日はHAPPY!?


私は一人で勝手にテンションが上がっていた。


*放課後*


今日は時間が経つのが早い——。
いやぁ、なんか久しぶりに清々しい気がする。


そう思いながら廊下を散歩していると、望と怜緒とすれ違った。


「……あ、依麻」
「げ、望」


望は立ち止まり、私を見る。
そして、


「……姫吉、今が言うチャンスだぞ!!」
「へ?」


望が怜緒の両肩を掴み、私の前へ突き出した。
怜緒は私と目を合わせず、冷たい目をしている。
私は軽くドキッとしてしまう。


「……」


数秒の沈黙後、怜緒は相変わらずの冷たい顔で去っていった。
望は慌てて追いかけ、再び私の方に振り向いた。
そして、


「タヒね!」
「はぁ?」
「これ、俺じゃなくて姫吉の気持ちだから!!」


望はそういい残して、素早く消えていった。
俺じゃなくて怜緒の気持ち——?
「タヒね」が?


もしかして——。
昨日の和美の質問の、答え?
私はその場で呆然とした。


「…………」


け、結構思ったよりも傷つくぞ……。
朝から続いていたテンションガ、一気に下がる音がした。


すると、また望がやってきた。


「タヒね」
「またかよ、うざ」
「姫吉の気持ちだからー」


望はまたそれだけを言い残し、去っていった。
二回言いやがったな、アイツ……!!
なんか悔しい!!!


「お前がタヒね!!」


私は廊下の隅で、大きく叫んだ。
望の背中は、もうとっくに見えないのに——。


「……っはぁ」


好きな人から言われる悪口は、こんなにも傷つくものなんだ。
もうフラれてるから、動じないと思ったのに。
もうフラれてるから、傷つかないと思ったのに——。


「……っ」


でも、このぐらいで泣かない。めげない。
ここで降参したら、私の心に負けたことになる。
これも、私の選んだ恋の道だ……。


へこたれない。悲しまない。諦めない。
負けないんだから——……。