コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 裏表Love Fight! +実話+ ( No.94 )
- 日時: 2010/06/03 21:57
- 名前: 絵磨 ◆VRtMSlYWsU (ID: uRjlitq/)
- 参照: 今進まなきゃってそう誓った(by.You bet!!
第七十一話『降り続く雨』
雨は、静かに君を目立たせた。
君の態度は、まるで曇り空みたい。
雨は、静かにあの仔の周りを取り囲んだ。
貴女の態度は、まるで雷みたい。
雨は、静かに私を打ち付けた。
私の心は、まるで冷たい雨みたい——……。
梅雨の季節——……、六月。
六月に入ってから、当然天気は雨が続いています。
転校騒動や色んな波乱の波が少しずつ収まり……。
私も元の家に帰ってくることが出来ました!
これで、時間が少しずつ恋の傷を埋めてくれる——。
そう思っていたのに。
*給食時間*
「手洗い〜」
私は一人でハンカチを振り回しながら、廊下へ向かった。
向かう先は水のみ場。
「……お、恵だ」
「あぁ〜、依麻!」
水のみ場の水道の前で立ち止まると、横には恵が居た。
恵は可愛らしい笑みを浮かべながら、右手にハンカチを持ち、左手を挙げていた。
「なんか学校ジメジメするねぇ」
「あぁ、わかる!! きのこ生えそう」
私と恵は、手を洗いながら話す。
私は「きのこ」を小さく連呼しながら、水を止めてハンカチで手を拭きながら恵の方を向いた。
「やだぁ依麻、きのこきのこって……」
「あははっ……——……!」
恵の後ろには、男子と会話している怜緒が居た。
怜緒もこちらに気づき、軽くこっちを見る。
私は慌てて視線を逸らし、恵のハンカチを見つめた。
「……依麻?」
「…………あ、あぁ! わ、私ちょっと戻るね! 本当にごめん」
「え? あぁ、大丈夫だよ。私も戻るね」
私は恵と別れ、真っ先に教室へ向かった。
*放課後*
あっという間に放課後——。
窓の外を見ると、まだ雨が降っていた。
さすが梅雨の季節だのぉ……。
「……依麻、今日私委員会だから待ってて」
「え? あ、わかったよ」
和美は「ごめんね」と言って、視聴覚室へと向かった。
私は視聴覚室の前にカバンを置き、廊下で待っていた。
「……もうすぐ宿泊学習か」
二年生の恒例イベント、宿泊学習。
今年、私たちは六月九日から十日まで、出かけることになりました!
カヌー体験したり、動物園に行ったり……。
そして、私服で行けるので怜緒の私服を見れるチャンス!!
……まぁ、クラス違うけどさ。
私は密かに楽しみにしていた。
そして和美の委員会の作業は、その宿泊学習のしおり作り。
二年生全員分だから、時間はすごくかかるだろう……。
「……あーぁ」
そういや、怜緒も委員会だったよね。
四組の学級代表だし——……。
お疲れ様です。
そう思いながら、視聴覚室のドア横に寄りかかっていると——、
「!?」
視聴覚室から、ジャージ姿の怜緒が出てきた。
あ、あれ? 怜緒も視聴覚室に居たの!?
私は思わず横目で怜緒を見てしまう。
怜緒も緑の紙を持ちながら、私をチラ見して去っていった。
てか怜緒、色白っ!!
腕細っ!!
私より白いし細いじゃん……。
なんか少しショック、かも。
絶対地面に叩きつけたら粉々になる!!!
「……ぷ」
粉々になった怜緒——。
なんだか、想像したらおかしかった。
「……頑張れ」
私は、見えなくなった怜緒の背中に向かって小さく呟いた。
私が、こんな事言う資格はないけれど。
それでも、やっぱり好きだから君を応援したい。
「…………」
——雨は、まだ降り続いていた。