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Re:  ・Cheryy・ —2つの果実— ( No.131 )
日時: 2010/06/03 22:27
名前: 香織 ◆r/1KAORIEk (ID: ZclW4bYA)
参照: http://happylovelife612.blog27.fc2.com/



 第64話



 

 よし、この手紙を開けるか!!
 私は家に帰ると、ポケットから手紙を取り出して、ごくりとツバを飲み込んだ。
 ま……まさか、ラブレターとかじゃないよね!?
 ううむ、なんの手紙だろ……!!


 「それっ」



 私は意味のわからない掛け声をあげて、手紙の封を切った。
 そして、恐る恐る手紙の内容に目を移す。



 「……っ!!」




 私は、何度も何度も、手紙の文章を読み返した。
 これは夢じゃないよね……?
 ねえ……?



 “ 七瀬香織へ
 
 お前調子のりすぎ(笑)うざいよ 
 三井優志にくっついてんじゃねえよ(・ω・)
 優志もいい加減、うざがってるよ?
 しかもお前、優志の弟と付き合ってんだろ?
 二股とかきもすぎ(笑)
 どんだけだよ

 2の4のみんなより♪ ”



 「……なにこれ……」


 私は、突如目から涙が溢れてきた。
 これが悔し涙なのか、悲しい涙なのか、なんの涙なのかは、自分でもわからない。
 けど……とめどなく、涙はあふれでた……。
 そして、部屋に飾ってある学級写真をキッと睨みつける。

 そこに写るのは、真顔で写る4組の皆の写真。そのなかには当然、私だって含まれた。
 そして、手紙と写真を見比べてる。


 「……誰、よ、こんなんやったんわ」


 私は咳き込みながら、手紙をビリビリに破って、捨てた。
 ……なんだか、胸の奥が締め付けられて、苦しい。矢でも刺さったかのよう。
 ……なんで、だれがこんなことかいたの?

**


 ——翌日。
 私はかなり憂鬱な気分で、学校へ向かった。ため息をつきながら、青空をみあげて。
 休もうと思ったけど、そういうわけにはいかないよね……。
 なにより、友達と喋るのが楽しいし。


 「ふう……」


 2年4組の前についた。このドアを開けたら……なんかされるのかな?
 ほら、ドラマとかでよくみるさ。水とかかけられたり……ってか、完璧虐めじゃん、これ。
 もう……どうにでもなれ!!

 私は、思いっきりドアを開けた。そして、バンッと鈍い音が、教室中に響く。
 次の瞬間、全員が私のほうに視線を移した。
 それまで騒がしかった教室は、一瞬にして静かになる。
 まるで……突然、CDの音を停止したかのように、ぴたりと。


 「…………」


 私は皆からのキツイ視線を感じながら、つかつかと自分の席に座った。
 そして、机の中にはいってる、教科書などを確認する。
 ほら、なんかこういうのってさ、落書きとか悪戯とかされてそうじゃん?
 ……幸い、そういうのはなかった。
 私は少しホッとして、ため息をつくと、頬杖をついて、傍にいる奴を睨み返した。


 「お前昨日の手紙みた?」


 そばにいた1人の男子が、私に問いかける。
 天川康平。
 身長がばかでかくて、色黒でサッカー部。のくせに、かんなりエロい。ってかうざい。
 

 「みたけど?」
 「なんで学校きてんだよ」


 私は、別の男子にいわれて、言い返そうと口を開いたその時だった。
 別の女子が……亜由奈が、かわりに口を利いてくれた。


 「この学校の生徒が、この学校にきて何か悪いことでもあんの!?」
 「はっ、二葉さん、あんた関係ないじゃん」


 教室の隅で、どんと机の上に座っている、守川栞が亜由奈にそういった。
 そして、クラス皆が、私と亜由奈のほうをにらみつけた。


 「うちも2人の味方するー」
 「じゃあうちもー」
 「俺も」


 そういったのは、諒香・真子・秋音。あ、ちなみに秋音は一人称、女の子なのに俺ね。
 そして、次はクラス皆が私たち5人を睨んだ。


 「……あ、いっとくけど、先公にチクるんじゃねえぞ!!」


 誰かがいったとたん、チャイムが鳴った。




   


    昨日までの教室は、一変して地獄へと変化を遂げた。