コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

Re:  ・Cheryy・ —2つの果実— ( No.150 )
日時: 2010/06/05 16:56
名前: 香織 ◆r/1KAORIEk (ID: ZclW4bYA)
参照: http://happylovelife612.blog27.fc2.com/




第65話




 「はあーあ……」
 「でもさーなんでいきなり、4組のやつら、そんなことしてくんの?」

 
 帰り道、私は絵磨・萌・来奈と一緒に帰宅していた。
 そのとき、絵磨が私に聞いた言葉だ。
 つづいて萌も、言葉を発した。


 「なんかに洗脳でも、されたんじゃないのー?」
 「でも酷いですよね……一昨日までは、普通だったんでしょう?」

 次にきいたのは、来奈。私は「うん……」と元気なさげに、頷いた。いや、元気ないけど。
 ……洗脳……か、確かにそうかもしれないね。
 いきなりあんなことしてくるなんて可笑しいし、何より今日は、みんなの目が尋常じゃなかった。

 何かに憑依でもされたかのような、あの目。
 瞳孔が開いてるかのような、あの目。


 
 「……っ」


 思わず、過去を思い出した。
 ……私の過去は……ああ、もう喋るだけでもいや。
 

 「ま、とりま、元気だして! なにかあったら相談してねー」
 「うん……ありがと……じゃあね」
 「ばいばーいっ」


 私は、3人と別れたあと、とぼとぼと家に帰った。……あ〜……もう、意味不明。
 きっと、もし、クラスで私1人だけが、こうなってたら、多分不登校になるだろうなあ。
 まだ、仲間がいるから……、私はまだ、大丈夫。



 「……会いたい……」


 次の瞬間、何かにとりつかれたのように、私はボソッと呟いた。
 ……何が会いたいの……?
 誰と? ……なんでこんなこといったのか、わからない。
 けど、視線は……。


 部屋に飾ってある写真に、笑顔で写る、孝文のほうに向かっていた。
 ……そうだ、私は……孝文に会いたいんだ。
 孝文なら慰めてくれる? ねえ……。



 「ま、いってみるか」


 私はいつもの元気さが欠けた声で、そういうと、孝文……もとい、優志の家に向かった。



  何がおこるかなんて、しらずに、ね。