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Re:  ・Cheryy・ —2つの果実— ( No.283 )
日時: 2010/06/21 20:25
名前: 香織 ◆r/1KAORIEk (ID: ZclW4bYA)
参照: http://happylovelife612.blog27.fc2.com/

番外編「小学生★ライフ」


孝文side


 人生って、何が起きるか本当にわからんよな。
 昨日まで仲が悪かった奴らが、明日になって仲直りしてたり。
 昨日まで雨が降ってたのに、明日になって雲ひとつない青空になってたり。
 昨日まで寒かったのに、明日になって急に暑くなったり。
 まあいろいろと、同じことが平坦と続くわけではないというわけだ。
 それは悪い意味としても、良い意味としてもとれる。


 そして今、昨日まで考えれなかったことが起きている。
 自分でも今何が起きてるのか、わからない。
 ……ん? 夢か? 夢? これ夢? マイドリーム?


 「孝文君の部屋、結構綺麗だよね」


 そういいながら満面の笑みを浮かべたのは、三木英恵。
 ……つまり!!
 三木、田野、村井の3人がなんと!! この部屋に今きているのさ〜♪
 ……厳密にいうと、あと1人いるんだけどな……。


 「でも机2つってことはぁ、1人の部屋じゃないんだよねぇっ♪」


 吐き気のするほど気持ち悪い声をだすのは……不覚にも、林野花梨だった。
 元々は、慶一の家に三木、田野、村井の3人が集まる予定だった。
 けれど、慶一が急用ができてしまい、そのうえ花梨に遭遇して、俺の家にきたらしい。
 

 「……これ、誰と一緒の部屋なの?」

 ぶっきらぼうな態度でそういったのは、田野。
 

 「辰雅……弟と」
 「確かお兄ちゃんいなかった?」

 そうきいたのは、村井。


 「いたよ、アイツはこの部屋にはもういないんだ」
 「……どういうこと?」
 「いや、1人部屋作ってもらったんだよ、中学生だから……多分」
 「ふぅん」


 優志は、中学にはいってから、なんか変わったような気がする。
 昔は3人兄弟で同じ部屋使ってたんだけどな、嫌になったらしい。
 まあもうじき俺も、1人部屋……といっても部屋がねええっ!!
 いいよなあ……まあ別に、2人部屋でもかまわないんだけど。


 「でもさ、何して遊ぶ? うちゲームしかないんだけど!」
 「私も〜」
 「私も同じだよ」


 村井、田野、三木の3人はバックからゲーム機をとりだした。
 ……女子もゲームすんのか!!


 「ちょっとまて、何のゲーム?」

 俺は勝手に三木のゲーム機からソフトをとりだして、何のゲームか確認する。
 ……ポ○モン。
 できねえことはないな、一応ソフトあるし。


 「じゃあ、ポ○モンやろう」
 「いいの!? やろうやろう!!」
 「私ポ○モンないよぉ」


 ……という花梨の声は、無視。
 俺たちは、ポ○モンをはじめた。



 そのときだった。
 ガチャッという音と共に、俺の部屋のドアが開いた。
 俺たちは、一斉にドアのほうに視線を向ける。
 ……優志だった。
 優志は制服をきていることから、今学校から帰って来たのだろうか。
 部活は今日は、ないらしい。


 「…………」
 「あ、おじゃましてます! 村井です!」
 「三木です!」
 「田野です」
 「花梨だよぉ♪ うふっ」


 優志は黙ったまま、俺たちの顔を見比べて「なんで?」と呟いた。


 「なんでといわれても」
 「……まあせいぜい、ハーレム気分を味わうんだな、この時間だけでも!」


 優志は無表情でそういい捨てると、勢いよくドアを閉めた。
 バンっ! という音に、俺は若干びびった。


 「……ん? 孝文君、どしたの」
 「……いや」


 三木に顔を覗きこまれるが、俺は平然な態度を装った。
 ……でもな! やばいぜ、やばいんだぜ!
 ハーレムとな、ハーレム、ハーレム……くぁwせdrftgyふじこlp;@:


 「……あひょひょひょひょひょ」
 「……ねえ、孝文君おかしいよ」
 「へ? そう? あひょひょひょひょ」
 「……おかしい! 絶対おかしい!」


 女子3人が、俺によってたがってそういった。
 もう幸せなんだぜ! きゃっほっほっほっほ。


 ——午後5時。

 楽しい時間というのは、あっという間にすぎる。
 もう5時じゃねえか!
 でもまだ外も明るいし、まだかえらn——

 
 「あっ! うち5時半から塾だ!」
 「私も、5時には帰れって親に……」
 「2人が帰るなら、私も帰ろうかな」


 三木、村井、田野が順に呟いた。
 え……ま、まさか! なんか……まて! 帰るな、楽しいハーレム終わりか!
 俺は田野だけでもとめようとしたが、3人はさっさと帰る準備をはじめた。


 「じゃあね、孝文君。今日楽しかったよ」
 「また遊ぼうね〜!」
 「じゃあ」


 それだけいうと、3人は帰っていってしまった。
 あ……あああ……あ—————!!
 俺はおそるおそる、ぶりっこ死神女のほうをみた。
 帰る気配なく、なんか部屋のぬいぐるみで遊んでいる。


 「おい……林野……」
 「なあに?」

 花梨は、ぬいぐるみに視線を移しながら、返事をした。
 全く返事する時くらい、こっちみろよな。
 や……むかなくてもいいけど。
 って矛盾してるな、おい。

 「お前も帰らねぇのかよ」
 「私は別に用事もないしぃ……それに」

 花梨は、ふとこちらに視線を移した。
 そして真剣な眼差しをして、何かをためらったかのようにみえた。
 しかし、また口を開いた。


 「三井君が好きだから、もっと一緒にいたい」



 ……!!
 本当なら、嫌なはずだった。
 大嫌いな女に告白されて、嬉しいなんて思うなんて。
 ありえないはずだった。
 

 本当に人生、なにがおきるかわからない。