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Re:  ・Cheryy・ —2つの果実— ( No.303 )
日時: 2010/06/23 16:08
名前: 香織 ◆r/1KAORIEk (ID: ZclW4bYA)
参照: http://happylovelife612.blog27.fc2.com/


番外編「小学生★ライフ」


孝文side



 翌日。
 俺はいつもと同じように、登校した。
 待ち合わせ場所にはいつものメンバー。
 いつもと変わらない日常……のはずだ。
 
 
 「抱きしめて私は私、喉がからからっ♪」


 ……背後から、五月蠅い女の声が聞こえてきた。
 何か歌ってるらしい、にしても音痴だなおい。


 「女は女夜もぱ〜らぱら♪ 我はエロティカ〜セブ〜ン」


 ……うるさいな、全く誰だよお前。
 俺はバッと後ろを向いた。
 …………。



 「……かおりん、その歌好きだねえ」
 「その歌というかこの歌歌ってるバンドが好き」
 「へぇ」


 ……きたああああああああああっ!!
 俺が今まであったなかで、多分花梨よりやばめな女子、七瀬香織。
 一応龍夜の姉。
 龍夜のほうが大人っぽいから、香織が妹に……おっと。
 ……えと、横にいるのは三上絵磨さん。
 絵磨さんは大人っぽくてな……。
 でもって子供っぽいところもあってだな。
 俺のたいp……



 「げぇっ!」


 その瞬間、俺は変な奇声とともに、目の前の電柱柱に激突した。
 いってぇ……。
 その様子を、慶一と龍夜が馬鹿にして笑っている。


 「ぎゃははは! 孝文だっせぇっ」
 「アホだろお前」


 そして次に声をかけてくるのが……。


 「後ろばっかみてるからだよ、巨人さん♪」


 ……香織。
 俺は仰向けになって倒れていて(ランドセルで、直接地面にはつかない)
 香織はそれを、アホみたいな目つきで、見下ろしてくる。


 「おま、パンツみえ……ぎょぇっ!」
 「みえてもいうな、変態!!」


 香織に腕を踏みつけられた。
 そして香織は絵磨さんを引き連れて、向こうへいってしまった。
 ……どっちかというと、絵磨さんにふまれt……


 「……ほっていこうか、コイツ」
 「だな」


 龍夜と慶一は、俺をあざ笑うとそのまま学校へ向かった。
 ……俺はやっと起き上がって、そして立ち上がる。
 なんかなあ……情けないみっともない、なんなんだ。


**


 朝、学校に着くと、いつも2組の教室を覗くのが日課になっている。
 けど今日はあんまりそういう気はしなかった。
 だって、2組に行けば……花梨がいるし。なんとなく花梨とは会いたくねぇし。
 俺は、1組と2組の間にある、学習室の中にはいって、慶一と喋っていた。
 

 「……おい慶一、お前龍夜呼んでこいよ」
 「なんでだよ、いっつもお前が呼んでるだろ」


 ちぇっ……こうなったら、奥の手を使おうかな。
 2組には、慶一の大好きな三木英恵がいる。
 つまり「三木に会いに行け」といえば……!!


 「……三木がいるからって、関係ねぇぞ」


 ちっ……!! なんだよこいつ、心読むなよ。
 なんだよテレパシーかよ、意味不明だよ、コイツ!!
 まあいいや、花梨の顔はみなかったらいいし。
 いってみるか……!!

 俺は学習室をでて、2組へ顔を出した。
 …………。


 「三井君、おはよう」

 そういってきたのは、三木。あー吃驚した、一瞬花梨かと……。
 三木は龍夜の名前を叫んだ。……俺がここにくる=龍夜を迎えに来た、だからな。
 しばらくして、龍夜が俺の前にやってきた。


 「喋ろうぜ!!」
 「え、あ、うん」


 龍夜はぎこちない返事をすると、一緒に学習室まで向かった。
 ……学習室。
 今は2クラスしかないこの学年も、昔はもっとクラスの数があった。
 優志たちの世代の6年は、ここが2組だったんだよなあ……。
 一時期は、6年も4クラスはあったらしいけど。
 ……今では2クラスが普通になったしな。
 それでこの学習室は、算数とか自習するときに使う部屋だ。


 「なあ、孝文」
 「なんだよ龍夜」
 「あのさ……聞いて喜べ、今日、林野休みだぜ」


 え……!! まさかの花梨お休み!?
 なんか嬉しいような、そうでもないような、複雑な気分だ。
 色んなものが混ざり合って、ごちゃごちゃしてるような、そんな感覚。
 つづいて慶一が口を開いた。


 「よかったな! 孝文! 大嫌いなぶりっこ女が休んで……」
 「お、おう」


 俺は曖昧な返事を返すと、終始黙ってしまった。
 花梨が休み……ね。
 寂しいと思うのは気のせいかな。