コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: ・Cheryy・ —2つの果実— ( No.556 )
- 日時: 2010/07/20 23:24
- 名前: かおり、 ◆r/1KAORIEk (ID: ZclW4bYA)
- 参照: http://happylovelife612.blog27.fc2.com/
第83話
夏休み初日、私は9時ごろに目が覚めた。といっても、自ら起きたわけではない。龍夜に起こされたのだ。「電話だ」といわれて、私は寝ぼけながらも、受話器をとった。途端、私とは裏腹に、元気な声が聞こえてきた。
「もしもし、絵里那だけど!」
「あー……絵里那……朝から元気いいねえ」
「なにいってんの、もう9時だよーん、ところでさ」
最後のほうで、声色が変わった絵里那。これは、本題にはいるサインである。私は黙って、絵里那の話を聞くことにした。
「あんたさー、コンパとかいったことないよね?」
「はっ!?」
絵里那の突然の言葉に、私は思わず大声をだしてしまった。コンパ……合同コンパ、あの、ドラマとかで、女子大生とかがよく……やってる、あれですか。私は「ないに決まってんじゃん!」と、叫んだ。
「だよねー……ね、いってみる?」
「なにを?」
「だから、コンパ」
「いかない」
即答した。けど絵里那は負けじと、コンパをすすめてくる。話を聞いてると、絵里那も実はいったことがなく、彼氏がほしいから参加するらしい。女子は絵里那をいれて、3人。男子は4人ならしい。
「ってことでー香織好きな人いないっしょ? あと1人人数足りないんだよー!」
「ちゅ、中学生が、コンパなんて……」
「まあまあ、お堅いこといわずに。そんなこといってたら、一生彼氏できないよー」
むう、そういわれるとちょっとむかつくなあ。私は「絶対いかないよ!」と、受話器に向かって叫ぶ。
「……絶好のチャンスなのになー、イケメンしかこないよ」
「……てかあたし、好きな人いるし」
そういった途端、孝文の顔が頭に浮んだ。絵里那は興奮した声で「え!? 誰誰!?」ときいてきた。私は数秒間をとって「小6で年下なんだけど、優志の弟」と答えた。……沈黙が続いたあと、絵里那は口を開いた。
「年下かよ、つかさ、告ったの?」
「告ったっていうか、一時付き合ってた。でももう1回付き合いたい……なーんて」
「ふぅん」
絵里那は納得したのか、黙ってしまった。しかしここは絵里那様、負けてはいなかった。
「そんなのやめれば? どうせ小学生なんて、すぐに飽きるに決まってるって。まだ子供なんだしさ。付き合いだってお遊びじゃん」
……それをいえば、うちら中学生もそうだとおもうんですが……。ってか今の世の中、小学生でも普通に付き合ってる人いるし。と、言い返そうとしたが、状況の悪化を予想して、いうのをやめた。
「とりあえずきてみてよー! 今日の12時にカラオケで待ち合わせ! ね?」
「う〜ん……わかった、いく」
まあとりあえず、いってみるだけいって帰ってこればいいか。別にわざわざそこで、彼氏作んなくても、ただ単に遊べばいいしね。それにカラオケ、楽しそうだし。
こうやってすぐに、単純に考えてしまうのが、私のいけないところなんだろうね。