コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

Re:  ・Cheryy・ —2つの果実— ( No.626 )
日時: 2010/08/04 11:59
名前:  かおり、 ◆r/1KAORIEk (ID: ZclW4bYA)
参照: http://happylovelife612.blog27.fc2.com/




 第87話



 午後8時。
 私はこっそり家を抜け出して、自転車で公園へと向かった。鼓動のスピードが増す。顔も赤くなっていく。まだ、顔もあわせてないのに、なんでこんなふうになるんだろう。


 「あ、香織」


 公園につくと、真っ先に孝文は私にきづいて、私に近寄ってきた。……うげ、顔近いっすよ、ちょ……。緊張するし! つか、なんで呼んだんだろう……。
 質問しようと思ったら、孝文はもう自分から話し始めていた。


 「あのさ……前もいったけど、お前、好きな人、いる?」
 「え、好きな……人」


 「いない」といったらうそになるけど、「いる」とかいったら、もう……!! あぅ。どうしよう。とりあえず私は「いるよ」と答えた。


 「そっか……誰?」
 「えっと……」
 「……あ、優志?」


 孝文は笑顔をうかべた。優志なわけない、あんなの過去のやつだ、今は愛可がいるし……。私は「違う、」といった。「、」があるのは、何かをいおうとしてるから。そう好きって、すきって、そういえばいいんだよね。
 
 あれはいつだったかな……もう1年くらい前になるんだろうか。勇気を出して、優志に告白したとき、返事は「保留」だった。けど……そんなこと忘れて、あんたは愛可と付き合った。私のことなんか忘れて……私のことなんか、どうでもよくて。一応、8年間の付き合いなのにね。ふっ、時間がたつってかなし。


 「あの……さ、あたし、その、好きな人、あんただよ?」
 「えっ!?」


 孝文は目を大きく見開かせて、驚いた。……つか、マジで何のために呼んだんだろう、という気持ちと恥ずかしさでいっぱいだった。

 「優志は?」
 「あれはもう好きじゃないよ、とっくの、昔に……だから、その、付き合ってくれると嬉しいっていうか」
 「……いいよ」


 その言葉に、私はホッとした。ホッとしたのか、涙がでてきた。
 優志に放置されて、フられて、最悪だった。小4の頃から好きだった。好きになった理由……? 多分『幼馴染だったら両想いになれる!』とかいう、変な理由だったとおもう。けど甘かった、何もしなかったら、手の届く存在も、どんどん離れていってしまう。
 現にそうだった。今はもう、どんだけ手を伸ばしても、優志には届かない。優志は愛可のもとへ、いってしまった。愛可と優志がであって、2年しかたってない。私は、優志とであって、8年。

 であった年数なんて、関係ないとおもった。憎いけど、憎いけど、密かにこうおもう。

 幸せになってね——


  私も、幸せになるから。



 「なんで泣いてんだよ、おま」
 「えっ……いや」


 私はあわてて、涙をふいた。嬉し涙と、悲しい涙と、色んな涙が混じってたんだ。

 やっとみつけた、私の居場所。