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Re:  ・Cheryy・ —2つの果実— ( No.637 )
日時: 2010/08/05 09:21
名前:  かおり、 ◆r/1KAORIEk (ID: ZclW4bYA)
参照: http://happylovelife612.blog27.fc2.com/




 番外編『・Heian・ —優志と愛可—』優志目線




 あれは、中1のときの2月14日だった。俺は、カレンダーと時計を見比べては、ため息をついた。
 まーた、今年もあいつがくるのか。
 あいつとは、幼馴染の七瀬香織のことである。幼稚園の年長の頃からの付き合いで、昔はよく喋ったり、遊んだけど、中1になってからは、1回もそういうことはない。
 それは幼馴染といえるのだろうか。弟同士が仲いいので、そのつながりで、たまーに幼馴染らしく、家族同士ででかけることもあった。でもそれも、小学生のときだ。
 今ではそんなこと、やらない。もしやったとしても、俺はいかない。


 夜7時。家のインターホンが鳴り響いた。あーきたか、あーあーあー。
 俺がでようとしたら、先に孝文がでてたので、俺は玄関前で待ち構えていた。すると、孝文が俺の服の裾をひっぱって、強引に外にだした。
 ……外にはなぜか、龍夜と康義がいる。香織はというと……電信柱に隠れていた。なんであんなとこいるんだろう。そうおもい、俺はそっと近づく。
 
 香織は、びくっと体を震わせると、ピンク色の袋を俺にさしだした。「はい」というかすかな声をきくと、俺は素直にそれをうけとった。「ありがとう」って。
 


 家に戻ると、俺は袋の中を確かめた。



 「これってさ……買った奴だとおもう?」


 近くにいた、孝文と辰雅にきいた。



 「……違うと思う、100%」
 「手作り感100%だよー」


 100%とという単語をつかって、孝文と辰雅が答えた。俺は「やっぱそうか」と呟くと、
 
 それを、キッチンの隅においた。なんでこんなとこに置いたかって……?


 「おい優志、それはさすがにかわいそうじゃね? 食べてやれよー」
 「えー……やだし」
 「ひどっ」
 

 孝文はそれだけいうと、また居間に戻った。俺は、袋をじっとみつめる。……そういや、小6のとき、あいつから告られたなー。ま、あんな手紙捨てたけどさ。
 なんか変な文章で、きったない字で。意味不明だったし。つか、気持ち悪い。まだ、あいつは俺のことが好きなんだろうか。あーきもちわりい、きめぇよ、あー。
 
 でも、お返しとか渡さないと、母さんからまたなんかいわれるだろうな。ちっ、めんどくせえ。


**



 何日かたって、3月がやってきた。お返しはまあ、母さんが買ってきたやつを、適当に渡した。
 どうせあいつ、喜んでんだろ。たべんのもったいなーいっ! とかいって、食べなかったりして。
 や、俺も食べてないけどさ。ま、俺は手作りなんか、絶対たべねぇから、きんもー。


 春休みがやってきて、2年生になった。