コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: ・Cheryy・ —2つの果実— ( No.653 )
- 日時: 2010/08/05 20:02
- 名前: かおり、 ◆r/1KAORIEk (ID: ZclW4bYA)
- 参照: http://happylovelife612.blog27.fc2.com/
番外編『・Heian・ —優志と愛可—』優志目線
俺の新しいクラスは、2年5組だった。普通に友達もいるし、女子も可愛いし、結構俺の性にあってるクラスなんじゃないかとおもう。
俺は、休み時間、友達と喋っていた。そのとき……廊下から、なにか視線をかんじたので、バッとふりむいた。
……すぐに目をそらされたが、こっちをみてたのはわかった。七瀬香織が。
香織は、どうやら隣のクラスならしい。あのクラスは……う〜ん、微妙だ。
「優志? ……どうした?」
「いやー別に。きもい女が、こっちみてたから、にらみ返しただけ」
「なんだよそれ」
友達はそういうと、一緒に笑い飛ばしてくれた。こっちみんなよな、ったく。
**
数日語、やはり俺は平凡な毎日を送っていた。しかし皆、今日はなんだかあわただしい気がする。俺は、きになって、走っている人にきいてみた。
「なにいってんだよ! 今日はあの伝説のパンが……!!」
それだけいうと、その人はまた走り去ってしまった。……伝説の、パン? 意味わからん……もしかして、購買部にときどき発売される、あのいちごチョコパン……か?
なんかおいしそうだし、ちょっといってみよう。俺は、購買部に向かった。
購買部は、すでに人だかりで、それをみているだけで、暑苦しくなってきた。でもゲットするためには、このなかにはいらないといけない。そうおもったとき、後ろから誰かに肩をたたかれた。
「なんだ?」
「……あの、三井君。三井君だよね? あたし鈴野愛可、2年3組」
鈴野愛可。小学校も違うし、1年の時のクラスも違ったし、部活も違うが、何故かこの人のことをしっていた。
それは、男子が噂をしているからだ。『太い眉毛で、細い目がかわいい』と有名で。結構モテてるらしい。なるほど……確かにかわいいな。
「そうだけど……俺になんか用?」
「うんっ、あのね……このパンあげる」
「えっ!?」
愛可が俺にくれたのは、伝説のパンといわれる、いちごチョコパンであった。俺は「なんで?」と問いた。途端、愛可が顔色をかえて、廊下の隅に俺をつれだした。
「……あんた、七瀬香織の幼馴染よね? うざいとおもわない? ねぇ……」
「えっ?」
そりゃ、香織のことはうざいし、きもいとおもう。けど、パンとそのことに、何の関係があるのだろうか。
「……あのね、あたしと貴方、組んだら最強だと思うの。……ねぇ、そのパン、香織にあげて」
「なんで、香織にあげんだよ」
愛可はクスクスとしか笑わなかった。俺は、ようやく意味がわかった。愛可のしようとしてることが、愛可のいってる意味が。
そしてこれが、俺と愛可の出会いとなる。