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Re:  ・Cheryy・ —2つの果実— ( No.658 )
日時: 2010/08/05 23:46
名前:  かおり、 ◆r/1KAORIEk (ID: ZclW4bYA)
参照: http://happylovelife612.blog27.fc2.com/


 番外編『・Heian・ —優志と愛可—』優志目線




午前1時。俺は、むっくりとおきあがった。今日は香織の家に両親がいない。そして、こんな話をするには、この時間が最適だと思った。
 俺は、パジャマのうえから、パーカーをはおると、家をでた。……街灯だけがひっそりと輝く、夜の住宅街は、どこか不気味さを放っていた。


 香織の家をみあげたそのときだった。……あれ? あそこに人影が。丁度良かった、香織であった。俺は「おーい」と声をあげる。


 「よっ!」
 「あ……よ、よっ……」



 香織はびっくりしたのか、こんなことをきいてきた。

 「あの、優志! なんでこんな時間に?」
 「……あ、いや、その、ちょっと、散歩……」
 「えっ!?……さすがに男の子でも、夜中に散歩するのはやばくない!?」



 そのときだった。香織の部屋らしき電灯のせいか、香織の姿がやけによくみえた。タオルも着用せずに、全裸で外にいるって……。変態か、あいつは。
 香織の、成長未発達な胸を、何故かジーッとみつめてしまった。どんだけ嫌な奴でも、やっぱこういうのはみるよなあ、はは。


 「……あの、胸……みた?」
 「うん、お前の部屋の光でみえたー、あんまりでかくないな」
 「……っ! ……もうねるし」
 「あーまてまて」


 怒った香織を、俺はとめた。ここで帰られたら、せっかくの計画が台無しになってしまうじゃないか。
 
 「何?」
 「……折り入って話したいことがあるんだけどさ、そのためにきたんだよ、俺」
 「えっ……」


 香織は吃驚していた。そりゃまあ、吃驚するだろうなあ。心の中で『もしかして告白!?』とか、思っちゃってたりして。

 「話って何?」
 「あ〜、てか夜中だし叫ぶのあれだから、どっかで話そう」
 「ん、じゃあうちの部屋おいでよ」
 「えっ」

 まさかのお呼び出し。真夜中に、男女2人が一つ屋根の下で、過ごすってかなりやばくないか。まあ、両親いないから、いいけどさ……。

 「……いいのか?」
 「ん、私の家、今お父さんもお母さんもいないからーっ」


 俺はそれをきくとわかったような顔をして 「あ、どうりでこんな時間まで起きてるわけか、じゃあ入るから鍵開けてー」といった。香織は着替えるから、待ってて、とのこと。
 しばらくして、俺は家の中にはいった。


 「んじゃ、真夜中にお邪魔しま〜す」
 「……ところでさ」
 「ん?」
 「……あんたなんでこんな時間にきたの? おばさん、怒るんじゃないの?」


 うげ、やべええ、香織アホなくせに、こういうことに関しては鋭い。俺は「や、もう怒られてるから。だから家飛び出してきた」と適当にごまかした。

**


 「んで……お話とは何かな?」


 香織は、机の上にあったレモンティーを飲み干して、そういった。俺も改まった気持ちになる。

 「あのさ……手紙の話だけど、ほら、あの。天川の……」

 今日の時点で、愛可は4組の奴らを脅かして、天川に香織への手紙をかかせたはずだ。俺も、孝文を脅しておいた。つまり、計画は順調に進んでるのだ。
 それから、俺は怜緒に濡れ衣をきせるため、一生懸命はなした。


 家に帰ったのは、午前2時のことであった。