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Re:  ・Cheryy・ —2つの果実— ( No.660 )
日時: 2010/08/06 10:22
名前:  かおり、 ◆r/1KAORIEk (ID: ZclW4bYA)
参照: http://happylovelife612.blog27.fc2.com/



 


 番外編『・Heian・ —優志と愛可—』優志目線




 そうそう。今日……正確に言えば、もう昨日になるのか。夕方頃、俺は学校から帰宅して、孝文を俺の部屋に呼び出した。孝文は、ゲームをしていたので、めんどくさそうに、俺の部屋へやってきた。

 「なんだよ、急に」
 「あのさ……お前、香織と付き合ってるよな?」
 「……おう」


 孝文は不審そうに、俺を目を細くして凝視してきた。俺はぽりぽりと頭をかくと「でさ……」と話を続けた。


 「香織と別れろ」
 「はっ!? なんで……あ、お前香織が好きなんだろ、だから……」
 「違う!!」


 俺の真剣な言葉で、孝文の笑顔が急に消えた。俺は真剣な眼差しを、孝文に向ける。孝文は、しゅんとなって、下を向いてしまった。


 「……むしろあいつなんて、嫌いだ。俺はあいつを不幸にしたい。別れろ」
 「なんで不幸にさせるんだよ、嫌いならほっとけよ」
 「ほっとけねぇんだよ、ムカつくんだよ、あいつみてたら!!」

 孝文はそのまま黙ってしまった。なにがなんでも、別れさせたい。幸せそうに笑っている香織が、嫌だ。急に彼氏なんか作りやがって。うっとうしいんだよ。


 あいつなんて、あいつなんて、いっそ消えてなくなればいいのに。



 「……お前、なんか怖いな。そんなことしようとしてんのか、最低だな」
 「最低? ……なにが? ……おい、孝文」


 俺は、筆箱からはさみをとりだし、それを孝文に突きつけた。



 「……別れろ、な?」
 「わ、わかった、わかった、別れる、わかったから」



**


 計画は順調に進んでいた。けど香織のやつ、こういうことに関してするどいせいか、俺の計画を見破りやがった。
 そして、7月が過ぎ、夏休みの今日にいたるわけだ。孝文も香織も、香織の友達も、今ではケロッとしてやがる。ゆるせねえぇ……。


 今日はサッカーがなかったので、家でゆっくり休んでいた時、俺に一本の電話があった。

 「あ、もしもしぃ〜? 優志〜ぃ? 今日あいてるぅう? よかったらあそばなぁ〜い」


 俺の天使、女神、愛可からの電話であった。目が細く、眉毛の太いなんとも可愛らしい、ルックスの彼女は、俺のものになった。
 なんて嬉しいことなんだろう、最高だぜ。

 「もちろんあいてるぜ! 家くる?」
 「いくいくー!!」
 「じゃあこいよ、俺のマイスイートハニー!!」
 「いやん、ダーリン♪じゃあねぇ」


 そういって、愛可は電話をきった。……なんだろう、後ろからものすごい冷たい視線をかんじる。俺は、バッと振り向いた。


 「きもい……いつの時代の少女漫画だよ、明治? 大正? あ、江戸?」
 「エチケット袋ちょうだいよー」


 孝文と辰雅。俺は「あ……」と小さな声をだした。さっきの会話がきかれていたとは!!