コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

Re:  ・Cheryy・ —2つの果実— ( No.671 )
日時: 2010/08/07 15:52
名前:  かおり、 ◆r/1KAORIEk (ID: ZclW4bYA)
参照: http://happylovelife612.blog27.fc2.com/




 第88話




 8月にはいった。7月より、暑さが増すと思えば、そうでもない。暦の上では、立秋……つまり、もう秋なのだ。秋になれば、涼しくなるが、そのぶん少し寂しさを感じた。……ところで。


 「おい、姉貴」
 「ん?」
 「おい……」
 「だから何!!」

 冷房をガンガンに効かせた部屋で、私は夏休みの宿題にとりかかっていた。その横で、すでに宿題を終わらせた龍夜が、アイスを食べて、呆れた顔でこっちをみている。

 「……その冊子、答えだよな?」
 「うん」
 「……答えみんじゃねぇよ」
 「いいの!! こうしないと終わんないの! 提出すればそれでいいし、成績さがんのやだし。つか、ワークいがいも、宿題あるしさ」


 私は意味不明な言い訳をすると、答え丸写しの文に丸をつけまくった。……さすがにちょっとこれは、バレるかなあ。全部満点ってねえ……。

 「あーもう!! まだ英語とかある……自由研究も……もうやだ……」
 「あーアイスおいしかった」


 私の言葉なんか無視して、龍夜はゴミ箱にアイスの棒を捨てると、部屋をでていった。私はため息をついて、ふと携帯に視線をうつした。……そうだ!!



**


 「で、皆で宿題を片付けようと……」


 今、私の部屋にいるのは、絵磨、萌、来奈だ。私は「そうなの〜皆どれくらい終わった?」と尋ねる。絵磨は「あと英語だけ」、萌は「ポスター製作。あと、自由課題の家庭科作品もやろうかな」、来奈は「全部終わらせましたけど、1学期の復習します」。



 「……皆、優秀ねぇ……」
 「あんたが計画性がないのがいけないんでしょ。こつこつやればいいの!!」
 「ふぇ〜い……」


 絵磨の言葉で、私は机に数学のワークをひろげた。絵磨は、英語のワーク。萌は、筆と画用紙をとりだした。来奈は、教科書とノート。

 
 「あ〜もう、連立方程式とか意味不明。つかさあ、こんなん勉強しても、絶対社会で役立たないよね、萌」
 「……そうだね」 
 「1年の勉強も絶対そうだよ。あと図形とかね、来奈」
 「……ですね」
 「理科とかもうなんなの。生き物の生態とかどうでもいいしね、絵磨」
 「……うん」


 皆がもくもくと取り組むなか、私はぶつぶつ呟いていた。



 「でも来年受験かぁ〜受験とかもう、面接だけでよくね? そっちのほうが絶対しょうr」
 「いいから黙ってやって!!」


 私は、3人から怒られて「すんません」と謝ると、また問題にとりかかった。といっても、答えうつしてるんだけどね……。


**


 「あ〜……ねぇ、今度どっか遊びにいこうよ」
 
 勉強をおえて、私達はジュースを飲んでいると、萌がそういった。


 「雑誌でみた、新しいお店いってみたくない?」
 「あ、それいいですねー!!」
 「いこいこ!! 香織も!」
 「うん」


 新しいお店かあ……。たしか、雑貨店だっけ? かわいいのがいっぱいあるとこ、あ、いってみたいかも。


 「……なんか香織、変じゃない?」
 「へ?」
 「……なんかあった?」
 「いや、別に」


 絵磨にきかれて、私は慌てて答えた。……昨日の夜、孝文に……!! 孝文に……!! ……ふ。

 「孝文に……」
 「え、孝文君に……?」
 「はっ」


 私ってば、思わず声にだしてどーする!! 来奈は興味深々になって、きいてきた。萌と絵磨も、同じように、私に顔を近づけてくる。……昨日のことで、まだ私は緊張しているのだ。だって、だって、あんな経験……!!

 「ははあ、香織ってば、ついに……ショジョ、卒業した?」


 萌は、にこにこしながらそういった。は……変な勘違いされてる。


 「ち、違う!! あのね、私、昨日ね……彼氏できたの」
 「あああああ、そういうことか!!」


 といったのは絵磨。私は顔があかくなった。


 「やるじゃん! 香織」
 「え……へへへ、へへ、ふふ」