コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

Re:  ・Cheryy・ —2つの果実— ( No.691 )
日時: 2010/08/10 22:50
名前:  かおり、 ◆r/1KAORIEk (ID: ZclW4bYA)
参照: http://happylovelife612.blog27.fc2.com/


 第89話




 充実した夏休みを送りたい。
 8月も10日を過ぎた頃、宿題もろくにやらず、毎日ダラダラ過ごしている、私が冗談まじりに、いった一言だった。
 中学2年といえば、高校受験前に遊べる夏休みの、最後の年である。しかし、まだ2年だから、という人もいれば、もう2年だから、といって受験勉強をはじめている人も、いるだろう。

 塾にいって、夏期講習をうけて……という日々を送っているはずだ。それなのに、私は、ダラダラと……ちょっとくらい、答え見ずに真剣に、宿題をやってみようかな。そうおもい、ワークにシャーペンを走らせた。

 私の成績は、壊滅的で、ビリから2・3番目の順位である。とても自慢できることじゃないし、自分でも情けないと思う。

 先生からいわれた。このままじゃ、公立高校は無理だって。雑誌とかテレビとか街とかみてても、女子高生って、楽しそうだなあ……とおもう。高校にはいきたい。絶対いきたかった。


 「もう……まじでこれ無理かも」


 英語のワークをみつめながら、私はため息まじりにいった。1年生でも、基礎ができてれば解けるような問題だ。私にはさっぱり。運動もできない、なんのとりえもない、自分が嫌になった。

 そのときだ。携帯の着信音が鳴って、私は素早く携帯を開いた。……絵里那。どうやらメールならしい。


 「 Dear 香織
 やほー(^^)絵里那でっす!!
 香織元気してるー?バテてない?
 住所わからないから、メールで暑中見舞い送ったよん
 あ、もう残暑かな!?ww
 つか宿題終わったー? 
  From 絵里那 」


 私は、メールを読むと返信をした。


 「 Dear 絵里那
 一応元気してるよ(笑)
 てかさー宿題やばいわかんない;
 マジな話、私成績壊滅的だし、運動もできないし
 なんのとりえも無いし、なんか自分嫌なった(笑)
  From 香織 」


 「 Dear 香織
 あーそれはうちもだよ!
 うちも成績やばいし、内申とかもうタヒんでるw
 けどさー高校はいきたいよね、やっぱ
 だからうち、夏期講習いくことにしたー
 ……あ、そうだ、ちょっと違う話していい?
  From 絵里那 」


 「 Dear 絵里那
 やっぱそうだよねー
 夏期講習、うちもいこうかな?
 え、どうしたの?
  From 香織 」


 「 Dear 香織
 なんか、誰か忘れたけど、音楽教室?みたいなチラシ?もらったんだよね
 チラシと一緒に、参加券みたいなのが、5枚
 音楽っつっても、バンドみたいなかんじかな?
 ウチいらないから、よかったらあげようか?
  From 絵里那 」


 どんな教室だよ……バンドみたいな、音楽みたいな。バンドを習うのかぃ? え? 初心者体験? よくわからないけど、なんだか面白そうだった。


 「 Dear 絵里那
 あ、それほしい!!5枚頂戴♪
  From 香織 」


 「 Dear 香織
 おうけい!!じゃあ、とりにきて〜
  From 絵里那 」


 私は、その携帯を閉じると、すぐに靴を履いて外にでた。絵里那の家へ向かうためだ。なんだか、夏休みが楽しめそうな、そんな予感がしてきた。