コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

Re:  ・Cheryy・ —2つの果実— ( No.701 )
日時: 2010/08/12 22:39
名前:  かおり、 ◆r/1KAORIEk (ID: ZclW4bYA)
参照: http://happylovelife612.blog27.fc2.com/




 第90話




 チラシには、こうかいてあった。
 夏休みの間の月曜〜金曜の午後1時から3時間。5人以上のグループでくること。
 私は、絵里那からもらった参加券をみつめた。……5人といえば、やっぱり……。


 「あいつら……かな」



 私は、参加券をもって家をでた。どこにいくかって? ……ん? なんか聞き覚えのある声がする。私はなんとなく、電柱に隠れた。間違いない、この声はあの4人だ。

 「参加券、全部なくなったってどういうことだよー」
 「結構有名なとこだからな、無理もないぞ」
 「いきたかったなあー」
 「まあいったとこで、あとの1人がいないんだけどねー」

 
 順に孝文、龍夜、康義、辰雅。私はひょこっと顔を出した。


 「もしかして、これのこと?」
 「……うわ吃驚した」

 私は、孝文たちに持ってる参加券をみせた。多分、これのことだよね!? 龍夜が「お前持ってたのかよ……」と、目を見開く。私は得意になって「あげるから、私もいれて」という。

 「おぅ……じゃあもらっとくわ」
 「てかさあ、楽器ってどうすんの?」

 そうきいたのは、辰雅。何故か私にきいてきた。


 「夏休みの間だから、買う必要ないでしょ。貸してくれるんじゃない?」


**


 どうやら、そのバンド教室には先生がいるらしく(当たり前か?)その先生は、30代くらいの女性で、とても優しそうな人だった。私達は「よろしくお願いします!」と挨拶した。

 「……にしても、他に誰もいないね」

 そういったのは康義。

 「今日は貴方達と、あともう1組だけなのよ」
 
 もう1組……一体どんな人たちなんだろう。ちょっときになるなあ。私はそうおもいながら、辺りをきょろきょろと見回した。……でも最初、何をするんだろう。
 そんな私の心を読み取ったかのように、先生は「まず担当するものをきめましょう」といった。私は最初から、やりたいものはきめていた。

 「じゃあ、一斉にやりたいものいって……」
 「ボーカル!!」

 ……皆の声が、重なった。当然その中に、私も含まれている。沈黙が続いたが、その沈黙を破ったのは先生であった。

 「じゃあ誰が、一番うまいか……ちょっと『あー』って声をだしてみて」

 私達は順に声をだしてみた。全員が終わると、先生が「うーん」とうなりはじめた。

 「……辰雅君、辰雅君がいいわ!! 貴方、ボーカルね」
 「え、あ、ありがとうございます!!」

 先生に褒められた辰雅は、とても嬉しそうだった。早速先生から、マイクを貰っている。……さて、辰雅より歌の下手な(といっていいのか)私たち4人は、他の楽器をきめないといけない。このなかだと、やっぱりキーボードかな。

 「私、キーボードがいいです!!」
 「俺……ドラム……かな?」
 「俺、ベースで」
 「僕は……ギター!!」

 私、孝文、龍夜、康義はやりたい楽器をいった。見事に全員わかれたので、決定となった。私は、教室にあったキーボードに触れる。……ふふふ、なんかバンドってかっこいいよねえ……実は、ずっと前から憧れてたり。


 「こんにちはー」


 と、そのとき。教室のドアが開いた。どうやら、もう1組の人たちがやってきたらしい。
 その人たちは——