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コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: ∞ 真夏の果実 ... ( No.55 )
- 日時: 2010/05/30 21:41
- 名前: 香織 ◆r/1KAORIEk (ID: ZclW4bYA)
- 参照: http://happylovelife612.blog27.fc2.com/
第6話
「実は私、もうすぐ満州へ移住するんです、家族と。
私の家は、5年前(昭和3年)に父の会社が倒産して以来、あまり良い生活をしてなくて……。
でも、満州にいけば良い生活ができるときいて……!!」
……今日、テレビで観たのと同じようなかんじであった。
どんよりした沈黙を破ったのは、俺だった。
「でも、元の時代へ帰れる術がないのなら、仕方ないだろ?」
「……まあ、そうですけど……でも、悪いと思いまして」
「そんなの気にしなくていいよーっ!!」
姉貴が特有の、明るさで静香を励まそうとした。
静香は少し、楽になったらしく、それまで頑なだった表情に、笑みが生まれた。
そして突然、深々と頭をさげた。
「……で、では! しばらくの間、ここで厄介になりますが……よろしくおねがいします!」
「あはは、かったいなあ、静香たん、もっと気楽〜にいっていんだよ」
……そういう姉貴は、初対面の、これから一緒に暮らす相手に対し、少し気楽過ぎる気がするが。
そうおもったが、俺はあえて突っ込まなかった。
「源家に、可愛い子ちゃんが増えたな〜なはははははは」
と、変な笑い声をあげるのは英才。
……コイツの女たらしも、突っ込みたい所だが、やはりあえて突っ込まないことにした。
「んじゃ、ま! そゆことで、源家さいしゅっぱぁつっ!」
そういって姉貴は、静香に抱きついた。
……なんだかな、姉貴のほうが、静香より4つも年上なのに。
なんか静香の方が年上に見えるな……。
こうして夜が更けていった。
前代未聞の、過去から来た人と生活することになったのだ。
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