コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

第24話:大切な約束の日っ! ( No.101 )
日時: 2010/07/05 21:36
名前: 遮犬 (ID: SmzuliUF)

えーと・・・簡単にいうと、今非常に気まずい空気でございます。

それはなぜか。もちろん、あの男嫌い、女子天下の紗希に先ほどの俺と奈津の口論を見られたからだ。

よりによって紗希に見られるとは・・・。俺の一生の不覚かもしれない。あ、いや俺の人生がもう不覚か。

「な・・・なんだよ・・・?」勇気を出して声を絞り出す。

「なんだよ、じゃ、ないわよ」いちいち区切る言い方をする紗希は閻魔大王みたいなイメージだった。

いや、閻魔大王ですら紗希に殺られそうな感じすらあった。

・・・いやぁ〜・・・正直なめてましたよ・・・これほど迫力あるとはぁ・・・。

「全部・・・見てたのか?」顔が強張っているのに気づかずに俺は聞いてみる。

「見た・・・。で?あれは、何?」

ひぇえええ・・・怖すぎるだろ・・・顔がもう美人が台無しともいえるほど憤慨していらっしゃる。

「ご、ごめんっ!」テンパりすぎてなぜか謝る俺。

「なんで謝るのよ・・・わ・た・し・に」

うわぁああああああああああ!!!!頭がおかしくなりそうだぁああああ!!!怖すぎるぅうう!!!!

「え・・・えと・・・あの子は・・・」

「あの子は誰?」

だから今言おうとしてたのに・・・っ!

「俺の・・・・いも・・・」

「芋焼酎?アンタ、ナメてんの?」

いやいやいやいやいや!!なんで芋焼酎になってんだよっ!!妹だって!ほらっ!言い返してやれ!俺!

「・・・・えーと・・・」「あ?」「ごめんなさぃいい!!芋焼酎なんていってごめんなさぃいい!!」

認めちゃったよっ!!芋焼酎なんて微塵もいおうとしてなかったのにっ!!

「テメェ・・・」ちょっ!キャラ変わってないですかっ!紗希さんっ!!

「まてっ!!芋焼酎じゃないっ!!妹っていおうとしたんだよっ!!」

「あぁ、妹・・・そうならそうとハッキリいいなさいよ。もう少しで本当に・・・殺りそうだったわよ」

メリケンサックを装備しようとしていたからあわてて止めたわっ!!!脳の危険信号がずっと赤だよっ!

ていうか芋焼酎で人殺すなよっ!!

しかも言おうとしたら紗希が勝手に遮って芋焼酎とか言い出したんじゃねぇかっ!

俺無罪だよね?完全無罪だよねぇええ!!?

俺が心の中で葛藤というか泣いていると紗希が話しかけてきた。

「なんで妹さんがここにきてるのよ」今度は鬼のような顔ではなく、普通に不機嫌そうな顔だった。

「実は・・・・」俺はさっきまでのことを全て話しをした。

生徒会室に入ると妹がいて、その妹が俺のことを心配して一緒に暮らすとかいってること。

それを、俺が断固として断ったこと。

「そうね、正解だわ。こんな変態のところにいちゃあ何されるかわかったものじゃないものね」

「俺そんなやつじゃねぇよっ!自分でいうのもなんだけどっ!!」

「まあそれはどうでもいいわ。なんでアンタそれを断ったのよ」

紗希に本当の俺の理由を話すわけにはいかなかった。それに俺以外にこの気持ちを分かってくれる人は

絶対に、いない。

「俺の家は喫茶店やってて・・・結構厳しい状態なんだよ。親が少し家計考えないアホでな」

適当な嘘をいっておいた。真実2割、嘘8割だ。

「ふぅん・・・だから妹さんはここにいちゃいけないってこと?」

「そういうこと」

「バカじゃないの?」なんていうか、否定されたというか。俺の存在かなんかを。

「アンタさ。それ自分の都合でしょ?妹さんがどう思ってるかアンタまだわかってないんじゃないの?」

そういえばそうかもしれない。何か言う前に俺が押し切ってしまったからな・・・。

「多分妹さんはそんなに長く滞在は出来ないと思うわ。でもどうしてもここにきたかった理由がある」

「ここにきたかった理由?」何のことだろう・・・。まさか文化祭とか?いや、知らないはずだ。

「なんか、ないの?」

「うーん・・・・あ」

「あったの?」

「一つだけ・・・な。それもかなり重大かも」

それはとてつもなく俺と奈津にとってはでかいものなのかもしれない。

「何よ?」紗希が聞いてくる。俺は息を詰まらせそうになりながら答えた。

「誕生日・・・なんだよ。奈津の」誕生日の日に”例の約束”をした。そしてその日の前日俺は、

家出をした。もしかして、あの時の涙はそんな思いもこもっていたのかもしれない。

大切な約束の日の前日に俺が忘れて家出するなんて、奈津にとってはありえないことだったのかもしれない

俺・・・つくづく最低だな・・・。

「奈津って、妹さんのことね?てかその誕生日、いつよ?」

「文化祭当日だよ。あと二日」

「急がなきゃね・・・ねえ!明日って確か学校昼まででしょ!?」

「あぁ、確かにそうだけど・・・」明日は文化祭前日ということもあり、昼からは文化祭練習がある。

「ちょっと明日の昼から付き合いなさい!」

「は?」

「い・い・か・らっ!!付き合えっ!!」と、軽く蹴り飛ばされた。めちゃくちゃいてぇ。

「ぐっ・・・・練習はどうすんだよっ!?」

「休む」「はぁ!?」前日の練習休むって・・・夕姫は絶対怒るだろうなぁ・・・。

「そんなことよりっ!妹さんの大切な誕生日のほうがよっぽど大事なんでしょ!?」

なぜわかったんだっ!・・・っといいたいところだが抑える。

「助っ人呼んで駅前の噴水広場で待っとくからっ!必ずきなさいよっ!いいわねっ!?」

「あ、あぁ・・・」何をしでかすつもりなのだろうか。まさか妹を殺るつもりじゃあ・・・

「そんなわけないでしょっ!殺るとしたら真っ先にアンタを殺るわよっ!!」

「本人の目の前で殺人予告的なことやめてくれますかっ!!」震えが止まらなかった。

にしても、強力な助っ人とは誰のことであろうか。