コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

番外編:とある夏の出来事〜前半〜 ( No.104 )
日時: 2010/07/06 23:45
名前: 遮犬 (ID: SmzuliUF)

「さってとっ!今日はこれで終わりぃー!!」

ある夏の暑い日のこと。今日はサークルがない日でいつもの生徒会メンバーの面構えとなっている。

だがしかし、有紀さんは今日は用事があるとかなんとかで不在。鈴音ちゃんは漫画の新刊買いに行った。

ということで俺と夕姫と椿のみがこの生徒会にいるわけである。

「やっと終わったか・・・・」今日の議題は本当にくだらなかったと思う。なぜかって?

アン○ンマンでなぜジ○ムおじさんはあんなにもコントロールがいいのだろうということだった。

確かにアンパ○マンの顔にいつもヒットインするが・・・いやいや、そんなことをいっていたらキリない

夕姫が生徒会室を出ようとした時。

「・・・・誰?」そのドアの前にいたのは白髪赤目の少女だった。いや・・・まてよ。この子って・・・。

「あー、夕姫。こいつは・・・」

「どうしたの?可愛い少女さん?」自分より背が低かったためか満面の笑みでその”少女”に微笑む。

あー・・・めんどくさいことになったかな。それはなぜか。禁句を言ったからだ。夕姫が。

「誰が・・・・」

「え?」まずい・・・っ!!俺は身の危険がとてつもなく全身を駆け巡る。

「やめとけっ!夕姫!そいつはっ!・・・」

「誰が女の子だっていってんだコラァアア!!」その少女と思える男の子・・・

阿野次 巴(あのつぎ ともえ)は正真正銘の男なのだが外見により、間違えられることが多い。

そのことがまさに禁句なのだが・・・夕姫は見事にクリーンヒットさせてしまったようであった。

そしてさらにやっかいなのが・・・キレると釘バットを装備してくるということだった。

「へっ!へぇええええ!!!!??」夕姫に釘バットを当てさせる前に俺が即座に飛びついて巴を止める。

「落ち着けっ!巴っ!夕姫も悪気があっていったんじゃないんだってっ!」

「離せっ!蚊トンボ!!コイツはっ!コイツはぁああ!!!」

あ、ちなみに俺のことは蚊トンボと呼ばれてます(笑)

「あの・・・緑茶は・・・」

「いらねぇよっ!!そんなこといってる場合かっ!!お前も見てないで止めろよっ!!」

「あ、僕は力ないんで♪」このやろっ・・・!この時ほど顔に緑茶ぶっかけてやろうかと思ったことはない。

夕姫はとっくに回避しているがこのままこの釘バットが振り落とされればめちゃくちゃになりそうだ。

「頼むから落ち着けぇええ!!!」俺がめちゃくちゃ必死になって止めているところに救いの神が訪れた。

「あれ?奏君じゃないか。どうしたんだい?・・・って巴までいるじゃないか」

「ね、姉さんっ!?」巴が動揺してバットを手放してくれた。ふぅ・・・しんどかった。

この騒動を止めてくれたお方は綺麗なおかっぱ髪形の男か女かこれまたわからない人でもあり、

巴の姉か兄かも俺は知らないんだが・・・つまり性別は不明なんだけど・・・。

阿野次 智(あのつぎ さとし)。本当に名前からしたら男なんだけどなぁ・・・女だと思うんだけど・・・。

弟が姉さんといってるぐらいだから女ということにしておこう・・・。

「すまなかったな。いーさん」ちなみに俺はこの二人を知っている。

「えっ!奏、知り合いなのっ?」

「あぁ・・・まぁ話せば長くなるから話さないけどな」

「そのほうがいいね。部外者だし」

「ぶ、部外者って・・・そんな言い方・・・っ!」そこで俺が止めてコソコソと小さい声で話してやる。

「いーさんはいーさんでなぜか俺と弟だけは厳しいんだよ・・・あまりしつこかったら・・・」

「しつこかったら何よっ」

「チェンソーが出る」

「チェンソーが出るっ!?」

「シーッ!声が大きいっ!とにかく・・・人付き合いがうまくないみたいなんだよ。だから勘弁してくれ」

そこで俺と夕姫の内緒話が終わり、

「えー・・・ゴホン。私を助けてくれてありがとうございました・・・。それで・・・何の御用で?」

「僕は・・・蚊トンボに頼まれたことがあったからそれを知らせにきて・・・」

「私はただ奏に会いにきただけだけど?」

「へ、へぇ・・・」夕姫、顔が引き攣っているぞ。

「ま、まあ・・・助けてくれたお礼にちょっとお詫びしたいことがあるんだけど・・・」

「お詫び・・・?なんでお前からそんなことを・・・」

「だーーーっ!!いーさんっ!とりあえずもらっておこうよっ!なっ!?巴も一緒にっ!」

「ん・・・奏君がそういうなら仕方ないなぁ・・・いってあげるよ」

「姉さんが行くんだったら僕もいく」

「・・・はぁ・・・じゃあ決まりね!椿の家にいきましょー!」ため息バレバレだっつーの。

あんだけ侮辱的に言われて腹が立ったのか知らないがどうやら反抗意識を燃やしているようである。

・・・多分。

「僕の家ですか?いいですよ♪」なぜ俺を見る、椿。そして微笑むなっ!!!

んでなぜかいーさんまでもが俺を見て微笑む。それを巴が見て俺を睨みつけて「殺す・・・」とか言って、

夕姫はといえば・・・どうやらやる気が出たようで今に見てろよ・・・という顔をしていた。

どうやら波乱が起こりそうだな・・・この話。