コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- 一期一会!のちのち幼馴染 ( No.150 )
- 日時: 2010/07/16 22:22
- 名前: 遮犬 (ID: SmzuliUF)
私はお金持ちらしい。
そんなこと自分ではちっとも思ったことなんかはない。
でも周りの友達はみんな私から離れていく。
ずっと、孤独だった。寂しかった。誰かが傍にいてくれて欲しかった。
そんなあるとき、私にたった一人だけ、話しかけてきてくれた人がいた。
「・・・何してるの?」
目が綺麗で、すごくキラキラしてて、何だが王子様みたいだった。
「・・・え?」私は急に話かけられたからビックリしてその男の子を見た。
「こんなところで一人でいても、つまらないだろ?」男の子は座ってうずくまっている私に顔を合わせる。
「だって・・・誰も私のことなんか・・・」私がウジウジしているとその男の子は
「あーっ、もう!ほらっ!いくぞっ!」そういって私の手を握り締めて私を立たせた。
「きゃっ!」私はどんくさかったからその勢いで倒れてしまった。
「大丈夫か?ごめんな?」男の子は心配そうに、悪びれた様子で私に謝ってきた。
すると私の近くにいた黒服、外人のボディーガードの人がこちらにきて、何やら英語を喋る。
「はぁ?何いってるかわかんねーよっ!このハゲッ!」そういって男の子は私の手を握り、
「あっ・・・「逃げるぞっ!」
敵だと思ったのか男の子は私を連れて逃げ出した。
いくらこの黒服外人の人が私の味方であっても、この男の子からすると、私を守ってくれた。
とても、嬉しくて、たまらなくこの男の子がたくましく見えてきて、そして・・・
「はぁ・・・はぁ・・・大丈夫か?」男の子が私に聞いてくる。
「うん・・・」
「よかったぁ〜・・・メチャクチャ怖かったよな?あの外人野郎・・・」
「なんで、私を助けてくれたの?」気になったから言ってみた。多分、この男の子は私のことを知らない。
きっと知ったら、私を見捨てるんだろうな。
「は?何いってんだよ。決まってるじゃん」
「え?」その答えは意外なものだった。
「お前が悲しんだりするところ見たくないっていうか・・・ずっと笑ってて欲しいから・・・で・・・」
なんだこの言葉は。これはもしかして・・・告白なんだろうか?
「え・・・と・・・?「あぁ〜!もう!なんでもないよっ!それよりっ!何かして遊ぼう!」
その男の子と私は一緒に遊んだ。楽しかったよ、そりゃもちろん。
でも、その後。その男の子はどこかへ行ってしまった。どこか、遠くに。引っ越していったのだ。
私は泣いた。大切なものが、離れていくような気がして。私は泣いていたその日の夕方の時。
「なぁ、なんで泣いてんの?」
顔はイケメンだとは思うがどこか冴えない顔のした男の子が私に話しかけてきた。
「え・・・?」この感じ、あの男の子と一緒の感覚だった。
「そんなところにいないでさ、一緒に行こう」
「・・・どこへ?」
「決まってるじゃん」
「っ・・・・」前にも聞いたことのあるセリフ。あの男の子と被る。なんだか、ドキドキしてしまう。だが・・・
「そりゃあ暇だからに決まってるだろ?」
予想外の答えだった。
「そうだよね〜・・・・」
「あ?何が?」
「なんでもない・・・」
それが奏との出会い。私を幸せにしてくれると言ってくれた人。
あの男の子より、とても不器用で、可愛げがなくて、キラキラしてないかもしれないけど、
あの男の子に会わなかったら、私はまだウジウジしてたかもしれない。
奏の手を自分から握って走ったりなんて出来なかったと思う。
一期一会って言葉、知ってる?
それは私が一番好きな言葉・・・。
「むあっ!!」
「・・・なんだ?おっさんみたいな起き方しやがって」目の前に奏がいる。
「あれ・・・?私、寝てた?」
「あぁ、それもとんでもなくグッスリとスースー寝息をたてながら・・・」
「えいっ」私は奏の頭にチョップをしてみる。
「いてっ!起きてからなんだその行動はっ!俺が何かしたかよ?」
「ふふふ、内緒♪」
「はぁ?」
今日もご機嫌な私。みんなに神と崇められるような生徒会長になるまで。
私は、暴風のごとく、駆け抜ける所存です。
(・・・あの男の子って・・・誰だっけ・・・?)
なんだか一番忘れては元も子もないようなことを思ったが気にしない気にしない。
だって私はここにいて、こうやって好きな人たちと笑って過ごせてるのだから。
これでいい。と心底面白くなってしまうのだった。