コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

第7話:暴風警報の存在理由 ( No.18 )
日時: 2010/07/10 14:25
名前: @遮犬@ (ID: SmzuliUF)

「散々だっ!!」俺はそう叫んだ。場所は無論、生徒会室。誰に叫んでいるかというと・・・有紀さんに。

「へぇ・・・椿君からねぇ・・・」

「そうなんです!そのおかげで俺は・・・」椿に告白されてから次の日というものの。

「あれって噂の椿の彼氏じゃないか?」「マジデ?うあー!!羨ましい!!」「なんであんなやつにー!」

などと色々ぶつぶつ言われる挙句、

「なぁ!お前って暴風警報にやっぱり入ったんだな!それに椿をゲットするとは・・・すごいなっ!」

などとクラスメイトからいわれる。人たかる。暑い。うざい、もうやめてくれぇえええ!!・・・で、

こうして放課後このストレスを現在生徒会に一人でいらっしゃった有紀さんに爆発しているわけで・・・。

「にしてもアイツ二年でしょ!!?なんであんな人気あるんですかっ!!」

「え?奏君知らなかったの?」

「はぃ?」

「椿君・・・いえ、七瀬家は有名な家柄よ?」

「え・・・まさか七瀬財閥の?」

「ええ。御曹司ね」

「な、なん・・・だと?」

「それに・・・有名なのは椿君だけじゃないし・・・」

「ふむ・・・?」

「考えてもみてちょうだい。入学式から生徒会なんて作れないでしょ?一年がいくら規則あったとしても」

「えぇ・・・確かにそうでしたね」そういえばそうだった。何よりこの生徒会はおかしい。

もちろん理由は一年が4人仮とはいえ生徒会入りしているのだ。テンパってばかりで肝心なとこが・・・。

「えーと・・・話せばとてもダルいんだけどね?夕姫と椿君は”飛び級”してるの」

「えぇえ!!あの二人がっ!?しかも夕姫までっ!」

「驚くけれど・・・事実なのよ。実際二人とも頭かなり賢いしね」

「夕姫はそんなキャラじゃねぇええ!!設定にぶりすぎだろっ!!」

「でも事実だから・・・。それで、話を続けると・・・なんで今二人は学年が”一年”ってこと」

「あぁ・・・確かにそうですよね。飛び級してたら年齢関係なく二年のはずですし・・・」

「一年にしたのは二人の意思なのよ。あなたと同じ環境のほうがいいということでね」

「何それっ!!」

「椿君は財閥の力で、夕姫は・・・」

「夕姫は・・・?」

「・・・これはいってもいいのかしら・・・?」

「気になりますよっ!夕姫はどうやって下の学年に落ちたんですかっ!」

「えーと・・・新生徒会の会長になることの引き換えに・・・」

「はぃ?」意味がわからん。学園側にも夕姫の立場からしてもどっちでもいいことだ。

「もし会長になれなかったら・・・許婚にされちゃうのよ、夕姫は」

「なんでそうなるっ!!」

「あー多分理解に困っているだろうから説明しましょうか・・・」

夕姫はお金持ちの家柄であるが、その経営もマズくなってきた。それで親が出したのは、許婚。

他の会社のほうへ嫁いで経営を図ろうとしたのだ。

しかし夕姫はもちろん反発。その話が出たのは飛び級した後のこと。

すると親はある条件を出した。

『お前が時雨咲高校の生徒会長となれ。さすればお前の自由を約束してやろう。例の約束も守る』

といった。そして夕姫はその話に乗った。絶対顔も知らない人の許婚なんかにならない、と決めた。

幼き日の約束を夕姫は胸に抱いて。

「とまあこんなもの?」

「質問ありまくりですっ!!」

「何?」

「例の約束って何です?」

「・・・・はぁ、やっぱり奏君は鈍感ね・・・。覚えてない・・・というより、この生徒会に入った意味が・・・」

「ど、どういうことです?」

「夕姫と交わした約束・・・忘れたの?」

「そ、そんなのあったんですかっ!!」

「なんで私に聞くのよっ!バリバリ覚えてないじゃない!!」

「す、すみません・・・」

「・・・6歳のときに交わした約束よ」

「ろ、6歳?」

「えぇ。・・・夕姫を幸せにするって約束」

「6歳・・・夕姫を幸せにする・・・?・・・・あぁっ!!」

「ようやく思い出したの・・・。そう、あの約束ね。まだ続いてるみたいよ?夕姫の中では」

「そ、そんなっ!あれは小さいときのほら、可愛い約束というかなんというか・・・まだ続いてるなんて!」

俺は顔が赤くなる。そうだった。この思い出・・・俺は・・・夕姫に6歳の頃、告白したのだった。

幼稚園のみんなの前でいったんだっけか・・・?めちゃくちゃ恥ずかしい記憶だ。

それは6歳の頃にさかのぼる。