コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

第32話:生徒会雑誌!己は何を書く? ( No.180 )
日時: 2010/07/23 18:09
名前: 遮犬 (ID: SmzuliUF)

とりあえず簡単に生徒会雑誌というものを説明しよう。

生徒会雑誌というのは夏休みの期間中にそれぞれの生徒会が作らなければならない、

いわゆる課題のようなものである。

それを作り上げて何になるのかというと・・・生徒会選挙にも繋がるとかなんとか。

わざわざそんな小作な作業をしないとちゃんとした生徒会にはなれないかと思うんだが・・・。

・・・あぁ、話を戻そう。それで雑誌というのは基本内容はなんでもいいらしいのだが

人気は小説、怪談などらしい。まあ定番だとは思うが。

でもな?定番をなぞっていくのは我らが会長様はお気に召さなくてだな・・・。

「なんていうか!こう・・・オリジナリティ溢れるものを作りたいのっ!」

とかワガママ言うし・・・で、実際何にしようかと考えたところ

「・・・何書こっか?」となったわけで・・・会議はおかしな方向へと向かっている。

では、現在進行中の会議に話を戻そう。

「まず世界破滅ね」

「いきなり大問題じゃないですかっ!!」有紀さんの意見はやたら怖いものが多い。

「怖いでしょ?世界破滅」

「そういうのって怪談っていうんですかねぇ!?」怪談とかなんとかいうのは幽霊とかのことじゃ・・・?

「オリジナリティが欲しいんでしょ?」

「た、確かにそうですが・・・っ!それだと感動モノか何かになっちゃう傾向が・・・」

「なんで?世界破滅でENDよ?」

「本当の終わりじゃないですかっ!確かに怖い、というよりものすごく嫌ですよっ!」

「そう?私は楽しいと思うけど・・・」ダメだ。少なくとも俺とは感覚が一致しておらん。

「ならもういっそゲームと怪談混ぜちゃうような感じはどうですか?」鈴音ちゃんが切り出す。

「ふむ。それってどういうこと?」夕姫が食いついた。でもなんか変なことになりそうな気が・・・

何せ鈴音ちゃんから紹介されたゲームはキングオブクソゲーだからな。

「例えば毒ガスの溜まった何かをですね、空中に分散しているのが幽霊とか・・・」

「それってゲームの複合性あったかなぁ!?めちゃくちゃカオスなんですけどっ!」

「ならもう世界中のみんながバンジージャンプしながら殺しあうっていうホラーとか・・・」

「なんか絵的にはシュールだけどねっ!内容が確かに怖いっていうか・・・怪談じゃないよね?それ」

「じゃあ怪談って何なんですかっ!!!」

「俺に切れるなよっ!!」何か冷たい目線がやけに俺の体に染みる・・・。

「そうですね・・・怪談といっても皆さん幽霊とかに固定されますよね♪」

「まぁ・・・そりゃそうだろうな。だからこそ怪談って言われてるんじゃないか?」

「怖いっていう感情って他にも出るものないですか?」

「・・・私はゴキブリですね・・・」奈津が苦笑しつつも言い出した。

「あー、私も嫌いだよー!ゴキブリ」

「それって怖いとかじゃなくて嫌いなんじゃないか?」

「でも怖いっていうのって嫌いから生まれてきますよね?」

「そうね。例えば私は・・・神かしらね?それぐらいしかいなかったわ」

「なら私が恐怖の対象じゃん!」とか真面目な顔していってる夕姫はさておき・・・

有紀さんこえーな。なんかアッサリと自分は神以外怖いものはねーぜ発言したよな。

確かになさそうだな・・・俺は有紀さんと二人きりの時汗大量に出まくりだからな・・・。

よい子のみんなも気をつけよう!見た目がいくら絶世の美女であろうとも中身は魔王だとっ!

「奏君・・・?」不気味な笑みで俺を見つめてくる有紀さん。恐怖そのもの・・・っ!!

「す、すみませんでしたぁっ!!」妹のいる前で土下座している兄って・・・でも命には代えられないからな

数分後・・・

「怪談は有紀だけ担当ね〜」

「結局私だけなのね・・・」かなり期待してますけどね。俺は。

「他の人は何の小説か何か書きたい〜?」

「「特にないで〜す」」

「ていうか俺はこの生徒会の日常をお前から書かされてるんだから免除しても・・・」

「却下」

「なんでっ!?」

「ならばっ!ハ○ヒに習ってくじ引き方式で決めよう〜!」

と、いうことで決まったのが

夕姫・・・生徒会、暴風警報大特集 椿・・・恋愛小説 鈴音ちゃん・・・RPG小説。そんで俺は・・・

「ちょっと待て・・・」

「ん?何?奏」

「お前これ・・・仕組んだな?」

「へ?仕組んでないけど?何が出たの?」

俺の手に持っていた紙に書いてあった文字とは

【BLとシスコン小説】

「これって却下することって・・・?」

「できないに決まってるじゃん」

「ですよねぇ〜・・・」

なんで俺は一番書きたくなかったというか一番嫌な小説を書かなくてはいけないのか。

BLにシスコン。俺は奈津と椿の顔を一回ずつ見る。

「奏君は何を書くんですか?」椿が近寄ってきた。

「だぁああ!!見るなっ!見るなぁあああ!!!」

「そんなどこぞのツンデレみたいな反応しなくても・・・」

「ね、奏君。私には教えてよ!一応兄弟だし・・・」と、次は奈津が見てくる。

「や、やめるんだっ!!見たら・・・見たら!世界がまっ黄色になるぞっ!!」

「まっ黄色になるのっ!?何が起きちゃうの?この紙見たぐらいで!」

世界じゃなくて俺の頭がまっ黄色・・・っていうかまっ青になるんだよっ!!

「それじゃあ!今日はここまでっ!会議終了!」

「はぁ・・・なんてこった」俺は何度この部屋で嘆息したかわからないが、

今日が一番嘆息したかもしれないと思ったほど大きなため息をついた。