コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

第33話:生徒会室に油絵登場! ( No.203 )
日時: 2010/07/27 22:12
名前: 遮犬 (ID: SmzuliUF)

「はぁ・・・」いきなりシスコンとBLを書けっていわれても、到底書けるわけがない。

生徒会の日常を小説みたいにして書いてるがこれはあくまで日記みたいなものだからな。

普通に掲載されるであろう小説とは、全くわけが違うわけでー…。

自分に文才がないことぐらい、小さいときからよく知っている。

「ま、考えといてね〜」とだけ言われて生徒会雑誌の話は終わった。重要なことではないのか?

俺が廊下をため息つきながら何を書こうか困惑していた時、何かにぶつかった。

「んっ…?椎じゃないか、どうしたんだ?」

目の前に立っていた人物は覚えているであろうか?探偵部部長の綾下 椎である。

「困ったことがあって、あなたを訪ねたの」相変わらず無表情で喋ってるなぁ…。

「あぁ、すまなかった。俺は丁度その頃いなかったんだな」

「油、臭い」

「え?俺がか?」俺何かしただろうか?ただ普通に登校してきただけだと思うんだけど…。

「違う。生徒会室」

「えぇ?生徒会室が?」また何かやらかしているのだろうか?そう思って急ぎ足で椎と共に生徒会室へ…

そこにいたのは一人の少女。何をしているのかと思いきや、生徒会室で…

油絵描いてた。

「いやいやっ!なんでだよっ!!」俺のツッコミに気づいて油絵少女はこちらに振り向いた。

「…お前達は誰だ?」

「こっちが聞きてぇよっ!!」

勝手に生徒会室に入り込んで油絵描いてるって…あ、本当に油臭ぇ!!

数分後…

「それで…教室で油絵描いてたら臭いとかいわれて追い出されたわけか?」

鼻をつまみながら俺はその少女に問いかける。横で椎は椿特製の緑茶をすすってる。

「私は岩倉 村佐(いわくら むらさ)。前世はきっと魚だと思う」

「いや聞いてねぇし!ていうか人の話をまず聞けよっ!」

ま、まぁ…とりあえず名前を聞けただけでもまだ進歩したか…。

「同学年だよな…?」

「…まず名乗れ」

「あぁ、はいはい!すみませんねぇっ!?俺は篠原 奏っていってこの生徒会の副会長をやってる」

「…どこかで見たことあると思った」

「はぃ?」俺はつい顔を歪ませてしまう。そして颯爽と岩倉は答えた。

「君に似たような微生物見たことあるよ」

「ケンカ売ってんのかぁああああ!!!!!」

「女の子に、手を出したら、ダメ」椎がもう少しで殴りかかりそうになっていた手を押さえてくれた。

「はぁ…はぁ…と、ともかく…ここは生徒会室だから、油絵を描いていい場所じゃないんだよ」

「じゃあどこで描けばいいの?」すぐに即答される。

「どこって…」そういえば油絵ってどんなものなのだろう?俺は少し関心が沸いてきた。

「なぁ、どうせ暇だろ?なら油絵少し見せてくれないか?俺油絵ってあんまりわからなくて…」

「謝れば見せてあげてもいいけど…」

「俺何か謝らないといけないことしましたっけ!?」そのまま討論すること数分間。

「へぇ〜…これが油絵かぁ…」

臭いはキツいけど確かに綺麗だった。あまり美術方面でも関心がないけど、岩倉の作品はうまかった。

「…これは、なかなか高技術。私でも描けるかわからない」

「まぁね。絵を描くことは自信あるから」確かにそう胸を張っていえるほどうまい。

「俺にも描き方教えてくれないか?」

「君は絶対に無理だと思うから教えるだけ損」

とことん否定しやがったな。"絶対"とまでいわれたぜ?もう俺ってなんなんでしょう?

「…あ、もう時間」岩倉はいきなり立ち上がり、片付けを素早く終わらして出て行こうとする。

「あ、もういくのか?」

「…用事が、あるから」

「あぁ、そうかぁ。またいつでもこいよ?」

「…またきていいの?」

「え?あぁ。他のメンバーにも教えておくさ。油絵があんなに楽しいもんだとは思わなかったよ」

「……そう」ドアを開いた後もう一言呟いた。

「……どうせ描くところもないし。きていいっていうんだったらきてあげるよ」

「あぁ、そうかい。よろしく頼むよ」俺は少し笑顔で岩倉を見送った。

アイツは毒舌だけどなんだかんだいって結構素直なのかもな、と思ったからだ。

「…ねぇ」

「ん?どうしたんだ?綾下」

「ここ、油臭いまま」そういえばそうだった。岩倉の野郎道具だけ片付けていきやがった…ったく。

「あぁ〜…さすがにそれはまずいか…掃除しねぇとなぁ…はぁ…」

俺は小説のことを考えたり何やら考え事が多すぎて混乱していたときに丁度よかったかもしれない。

たまには絵もいいもんだと、鼻をつまみながらそう思った。