コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

奏のゲーム攻略2 ( No.228 )
日時: 2010/07/30 23:42
名前: 遮犬 (ID: SmzuliUF)

…遅い。なんていう遅さだ。

俺は目の前の画面のダウンロード画面と書かれた部分を凝視している。

今何をやっているかというと、鈴音ちゃんのお勧めゲーム第二弾をプレイしようとしているわけだ。

第一弾の時点でものすごくひどかったが、あれを鈴音ちゃんは「神ゲー」といっていた。

神ゲーとはあんなにもふざけたものなのか?と俺は思ったが第二弾に期待してみることにする。

んでこれだ。ダウンロードだけでかれこれ二時間はかかっている。

それで、ダウンロード画面を一旦消してみようと消去ボタンを押すが、反応しない。

え…反応しない?と、焦った俺は連続して消去ボタンを押しても何の返答もない。

ゲーム開始というボタンが押せない。その部分はダウンロード中となっており、全くできない。

すでにダウンロードは終了しているはずなのに…どうして機動しない?

出来る行動といえばゲーム設定が出来るのとダウンロード画面にいるゲームのキャラを見るぐらいだ。

ゲーム開始にも辿りつけていないというのにゲーム設定だけできるとはいかほどのものか。

しかもこのゲームのキャラを見ただけで俺はこれがどんなゲームなのか…全く謎に包まれている。

そこにいたのはオッサンがラーメン啜ってる画像だった。ここは普通萌え系のキャラを出すべきだろう。

このままではただのオッサンがラーメン啜っている画像(しかも消せない)のみとなってしまう。

俺の二時間を返してくれ!と、言いながら消去ボタンを連続でカチカチ押していたときだった。

「どすこいどすこいっ!!」と効果音がなったと思いきや変なパラメーターが伸び始めてきたのである。

効果音のあまりの意外性に腰を抜かしてしまった俺は情けなくもそのまま消去ボタンを連打する。

「どすこいっ!どすこいっ!どすこいっ!どすこいっ!どす——」

幾度となく出てくるどすこいっ!の嵐。俺は無心となり連打し続けること数分。

ついに変なパラメーターが満タンになる。するといきなり画面が切り替わった。

昔ながらのミュージックと一緒に出てきた題名は

【イケメンなんかフルボッコにしてやんよっ!】というなんともいえない題名が出てきた。

本当にコレ、RPGか?そう思えない題名。だがグラフィックは相変わらずクソ綺麗。

とりあえず始めてみることにした。名前は…固定で【モンゴルマン三世】。

誰だよ、モルゴルマン三世って。むしろ敵の名前じゃないのか?

そして画面が切り替わり、老人の顔がドアップで出てきた。

「モンゴルマン三世!立ち上がるのだ!今!世界はヲタ達によって破壊されようとしている!」

なにやらすごく神聖な老人のような人がニコやかにモンゴルマン三世に話しかけている。

あぁ、これ主人公はイケメンの側なのか。にしても名前どうにかしてくれ。

「さぁ!ゆけ!イケメンの顔を皆殺しにしてこい!カス野郎共っ!!」

…あれ?キャラ思いっきりブレたな……。それにコイツイケメン側じゃなかった!どっちなんだよっ!

「どっちも滅べっ!バーカバーカ!!地球はワシらのもんじゃーい!」

お前誰なんだよっ!!と思ってその老人の名前のとこを見てみたら地球外生命体と書いてあった。

いや、本当に倒さないといけないのってコイツじゃね?地球制服されるんじゃなかろうか。

さて…モンゴルマン三世の旅が始まるようだな。

数分後…

結構進んだ。全て話しているとアホすぎて話にならんので省略させていただいた。

現在俺の装備はアルプスの少女というものである。

映像としてはとんでもないことになる。前作のはエリンギでまだ野菜だからよかったものの…

今回はハ○ジっぽい女の子の等身大フィギィアを振り回すのだから映像的にはこっちは危ない。

それにモンゴルマン三世の格好も今気づいたら前作のアンドロメダと似てるんだよな…。

今回は宇宙人っぽいヲタクがアルプスの少女を振り回してます。恐ろしいです。どんな敵よりも。

このフィギィアを手にした瞬間呼称の【アルプス少女無双】というのを授かったが…これでいいのか。

初期武器には驚いたがな。最初からモンゴルマン三世はエクスカリバー六本持ってました。

そんなに聖剣がたやすく大量生産されてて世の中いいのかと思った。

そしてついに最終局面を迎えることとなる。俺はアルプスの少女を両手に持ち、ゆっくりと進んでいく。

「ヒィイイハァアアア!!!!」と、上のほうから声が聞こえてきた。

「ラスボスが現れた!」と表示されている。名前は…【ラーメンを啜る者】と書かれている。

思い出していただいてほしい。最初のダウンロード画面でのあのオッサンを。

アイツは無駄な存在ではなかったのだ。ラスボスだったのだ。でもまさかコイツがラスボスとはな…

とりあえずハイ○で殴ってみる。ゴツッ!妙にリアルな効果音。

「ダメージ2くらった!」強っ!!いままでの非じゃない。普通ハ○ジをくらったら即死のはず・・・。

さすがはラスボス。手ごたえがあるじゃないか…。

「俺の奥義を見せてやるっ!!」な、なんだと?コイツ…奥義なんかあるのか!?

「ぬぉおおおおおおおおおお!!!!!俺はイケメンだぁああああああ!!!!!」

残念だがお前はもうただのラーメン啜ってるオッサンでしかない。

「モンゴルマン三世は67800のダメージをくらった!」

ありえない数値をたたき出した。このゲームの最高HPは1000までなのに…軽く凌駕しやがった。

「だが、モンゴルマン三世はこれで死なない。いや、死ぬわけにいかない!ヲタのために!」

どーでもいいことで生き返ったモンゴルマン三世。マジで意味わからん領域だが…

モンゴルマン三世は最後の力を振り絞り、○イジを振り回した。

大きな効果音と共にオッサンは倒れた。

ちょ、ムゴいムゴい。ハイジの頭だけぶっ飛んでる。

「こうして、世界は地球外生命体によって制服されたとさ」やっぱり制服されたっ!!だからいっただろ!

「モンゴルマン三世はその後、地球外生命体と手を組み、世界の半分を占領して幸せに暮らしましたとさ」

モンゴルマン三世ぇええええ!!!!!悪に染まりやがった!

ダウンロード時間、2時間。連打時間、12分。プレイ時間、一時間。