コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- 第46話:迫りくる敵襲来!? ( No.267 )
- 日時: 2010/08/12 15:43
- 名前: 遮犬 (ID: PboQKwPw)
騒がしい初日を終え、合宿二日となった。
なんでも今日はパンパースとかいう人気アミューズメントパークにいくらしい。
海からすぐ近くにある観覧車。どうやらアレらしい。あんなものがあるから海に客が少ないわけか。
数分後…着いたと思った矢先に
「よぉーし!ここからは自由行動だぞー!昼までにはここに集合なー!」と、昌人が全員に告知する。
現在の時間は9:00。この遊園地も丁度開園するようだった。
「じゃぁ俺は…「一緒にいきましょうっ!」奏に声をかけてきたのは郁ちゃんだった。
「あぁ〜…えーと、その…」昨日のことを思い出して少し顔を赤らめる俺。
だが俺は先約があるのだ。つまり郁ちゃんの誘いを断らなくてはならない。
「ごめん…俺、奈津と前から約束してて…すまないが他の人と…」
「そう…ですか……」郁ちゃんが悲しげな顔を見せる。うぅ…これは痛々しい…!
「ねぇ…奏君、郁ちゃんとも一緒に行かない?」奈津が郁ちゃんも一緒に連れて行こうというのだ。
「ね?郁ちゃん。私と一緒で悪いけど…一緒に行かない?」
「い、いいの…?」
「うんっ!大勢いたほうが楽しいし」そういって微笑む奈津。さすが俺の義理とはいえ妹…
「ちょっと待ったぁ!!」万事うまくいきそうだった時に夕姫が待ったをかけた。
「夕姫…?」俺はこれまた昨日の夕姫の異常発言にも悩まされていた。
普通夕姫あんなことはいわない。昔の頃しかあまりわからないがそんな性格のはず。
夕姫の心がいまいちつかめない状態に悩まされていた。
「私も一緒に行くっ!」そしてこの発言。
「えぇ!夕姫…お前なんか変なもの食った?そこらへんの植物でも食ったんじゃないのか?」
「誰も食わないよっ!失礼だねぇ!?…別になんでもないけど奈津ちゃんと一緒に行きたいから」
「え…私と?」キョトンとする奈津。
「うん、そう!お願いっ!奈津ちゃん!」
「私は別に構わないですけど…」横目で俺のほうを見てくる。これ以上増えたら嫌?と、問いかけている。
「別に構わないが…」俺はそれまた横目で郁ちゃんを見た。郁ちゃんは気難しそうな顔で目の前を見ている
「…郁ちゃん?」俺が肩を叩いて声をかけてみる。
「えっ!あ、はい!…あぁ、私も別にいいですっ!」
ていうか俺の負担でかくないか?そうだなぁ…祐二でも誘うかな。
「祐二ー」とりあえず辺りに声をかけてみる。
「はい?「うおっ!!」後ろにもういやがった。
「ずっといたよっ!!」この言葉がなんとも俺にとってはホラーだったことか。
「怖いこというなよ…でもまあ丁度いいか。祐二、俺達と一緒に——」
「もちろんいきますっ!「即答かっ!」なんなく祐二を確保した俺達はようやく遊園地のほうへと望む。
郁はその間誰も気づいていないようだっただったがずっと気難しそうな顔をして悩んでいる様子だった。
「郁ちゃん?」
「あ、はいっ!今行きます!」この後に起こることを気にしないように笑顔を絶やさないように。
命令を、従いながら。
「…やっぱり絡んでいたようね」
三人の美少女がいる部屋は郁の部屋だった。マスターカードを借りてこの部屋に侵入していた。
部屋の隅のほうに落ちてあったカルテ。持ち主は佐野 アリス…。
「花園さんはアリスっていう人に何かされてるんですか…?」
「どうだか分からないけど、奏君に何かしようとしていることは確かみたいですね♪」
あくまで笑顔を絶やさない美少女にしか見えない美男子。
「郁っていう子が何者で何のために奏君に近づいているのかわからないわね…」
「アリスっていう人が握ってるみたいですけどね」
「とりあえずわかったことがありますよね♪」
「ええ。あの遊園地で…————」
生徒会、暴風警報の副会長、会計、書記は静かに部屋から出て行き、遊園地へとただ急いだ。
「…計画は?」
「順調です、佐野さん」
「よかった。じゃあ今日、やっと篠原君に会えるのね…」
誰もが美少女と頷くその女性、アリスは静かに髪をひるがえし、予定の時刻をただ待っている。
「篠原君は守れるかしらね…?自分の居場所を、桜月 夕姫を…」
アリスは傍にあった本を取って静かに読み始めた。
静かな足跡が、静かな時が、奏に迫っていた。