コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- 超番外編:子猫の可愛さってものすげぇ!! ( No.270 )
- 日時: 2010/08/13 23:49
- 名前: 遮犬 (ID: PboQKwPw)
「ニャ〜」
「……猫?」自分の足元に擦り寄ってくる黒猫を自分の腕の中に抱いてあげる。
「…可愛いわね……」自分が動物好きということは自覚はしていたが…これほどまでとは……。
「ニャ〜」可愛い目で安心して腕の中に包まる猫をジッと見つめる。
「…この子…子猫よね…?…なんて破壊力なのかしら…」…とりあえず生徒会室に連れて行こう。
そのお方、牧野 有紀は黒猫を抱えて生徒会室へと向かった。
「…この時間帯なら誰もいないはず…」自分は今日生徒会が早く切り上げたが残業ということで
残って他の仕事を片付けていたのだ。…一応真面目にしてる部分もあるのです。
ゆっくりと生徒会室を開けて周りを見渡す。
「…ふぅ…やっぱり誰も——」
「あ、有紀さん。どうしたんですか?」
「っ!?」まさか…奏君がいたとは…。
そうだった、私としたことが迂闊だった。
この奏という少年はこうやって残って仕事をすることが当たり前なのだ。でも今日は…
「奏君…どうしてここに?あなたも珍しく今日は早く帰ったんじゃなかったの?」
「あ、はい。そうなんですけど…コピーペーパーを忘れまして…」
「そんなの忘れておいていいんじゃない?」一体この少年はコピーペーパーを家に持って帰った後
何をする気だったのだろう…と真剣に悩んでいると奏君が頭をボリボリかきながら
「ま、いわれてみればそうなんですけどね〜」有紀さんはこの時本気で殺気が沸いたという。
「それより…有紀さんこそどうしたんですか?」
「え?それは…」いえない。黒猫と生徒会室で何をしようとしていたかなんて——ってあれ?
「黒猫が…いない?」
「はぃ?黒猫?」有紀の腕の中には黒猫の姿はなかった。
「いや…黒猫が…」
「黒猫が?」
「……黒猫を剥ぎ取ろうと思って」
「怖っ!!生徒会室で何しようとしてたんですかっ!」
「何かレア素材が手に入るかと思って」
「そんなモンハーじゃないんですからっ!!手に入りません!ていうか動物愛護法に触れてますっ!」
何をいったのか自分でもわからなかったけど…それより今は…
黒猫の所存を確かめないといけない。多分まだこの部屋の中にいるはずである。
「…どこかしら…黒猫……」
「もう剥ぎ取り終了してるんですかっ!?素材がどこに落ちてあるか探してると!?」
何か奏君が一人で盛り上がってるようだけど…ほっといていいことね。
「…あんなに可愛いのに……」
「剥ぎ取ったものに愛を感じてらっしゃるっ!!生きてた時ならまだ可愛かったもののっ!」
「奏君、わけの分からないことをいってる暇があったら探して」
「え!俺も探すんですか!?」
「えぇ。だって奏君も見たいでしょう?」
「見たかありませんよっ!!そんなグロテスクなものっ!」
「グロテスクなわけないでしょう?あんな可愛いのを見たら奏君も感動するわよ?」
「絶対しませんよっ!!そんな黒猫の無残な状態見たくありません!」
一体黒猫がウルウルした目で見てくることのどこが無残な状態なのかわからなかった。
「あっ、いたわ」
「えっ!どこにですかっ!!俺、目ぇ閉じときますっ!」
「あぁ、あんな危ないところに…」黒猫は窓から外に出ていた。
生徒会室は4階にあり、窓から出た先はまだ先にいけるような環境になっていた。せまいけど。
しかし後もう少し前へいったら落ちそうなところいる。
「もう既にその姿そのものが危ないっていうことでしょうか!?どうなんでしょう!有紀さん!」
「さっきから何をいってるの?目を閉じたりして。開けてみてみなさいよ」
「あなたはっ…!私に地獄絵を見せようというのですかっ!」
「だから…生きてるって、この黒猫は」
「えぇ!?生きてる!?そんな無残な姿で!?」
あぁ…もうコイツ何をいってもダメだ。自分で助けるしかない。
「丁度いいところに縄があるわね…」
「な、縄で何を…」
「…黙らないならいっそ奏君を縛り上げてもいいかもね」
「すみませんっ!やめてください!お願いしますっ!!」外野も黙ったところで救助に入る。
窓からゆっくりと降りて、猫の場所へと忍び足でいく。
「ほら…おいで」
「ニャ〜…」どうやら足がすくんでこっちにこれないようだ。
「ほら…っ!」しまった。私としたことが…足を踏み外してしまった。
(このままだと…!転落する…!)そう思った刹那、
「有紀さんっ!!」ガッチリと自分の手を握ってくれている人がいた。
「!奏君…」さっきまで目をつぶっていた少年だった。
「う、うぉおおお!!」
数分後…
その後こういう器用なことはうまい(有紀のほうが遥かにうまいのだが)奏が黒猫と有紀を助けた。
「…っていう夢オチを希望してましたよ…」
「まあそうなるはずはないわね。私がミスるなんてありえないもの」
実際のところ落ちそうになった刹那ロープを傍の木にくぐりつけて助かったそうな。
…やっぱり有紀さんは最強だとは思う。この人には敵わない。
有紀のほうは黒猫にミルクと…何が混じってるかわからないものを飲ませていた。
「大きくなるのよ?…破天荒」
破天荒という黒猫に名前までつけた有紀さんはどうやら生徒会でこの猫を育てるらしかった。