コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

第50話:受けてたとうじゃないかっ!! ( No.337 )
日時: 2010/09/04 15:33
名前: 遮犬 (ID: cLZL9WsW)

「ふっ…ふふふふ…」俺が叫び終わった時、4人は静かに、笑っていた。

「「アハハハハハ!!!」」4人の笑い声が部屋の中を往復する。

「えっと…?」俺が決めたっ!的な感じだったのに…?

「に、似合わないですよ…アハハハ!!」椿や鈴音ちゃんが俺に向かって指差しながら言う。

「し、失敬だねぇ!?君たちはっ!」

「ふふ…やっぱり、奏君ね…」

「へ?何か有紀さんいいましたか?」何か聞こえたような気がして有紀さんに問いかけた。

「いえ、何も…」有紀は心の中で奏のことを改めて感心しているような心境だった。

どんな状況だって奏君なら明るくさせることができる。そんな不思議な力を持っている。

(本当に…能力がなかったら人気の的だったかもしれないわね)そう思う有紀さんだった。

「私…」夕姫は笑ったが気にしているようだ。

「私の本当の目的は、許嫁解消もあるんだけどまだあるの」夕姫が突然言い出した。それは。

「この学校をすんごく楽しくさせることと…奏が…その、一緒にいてくれること」

夕姫はモジモジしながら、赤面しながら、涙跡がバッチリ残っている状態で言った。

うわっ…これは反則だろう。俺は苦笑いして夕姫の頭をポンポンと手で優しく叩いた。

「俺と一緒にいるっていうのはもう叶ってるだろ?俺はずっとここにいるさ。暴風警報は俺の…」

ずっといいたくてもいえなかった言葉。いつかはここを去らないといけないと思っていた。

でも違う。今はここにいたい、いや、いなければならない大事な約束が出来たから。

「ここは俺の居場所だからな。それにあの約束をしたのはお前とだろ?凪ってやつじゃない。
だからまだお前との約束が残ってる。だからそんな目的はいらねぇよ」

きっと夕姫も不安だったのだろう。いつかバレたらどうしよう、そういう不安もあったのかもしれないが

罪悪感というものがあったのだろう。自分が姉の大切なものを奪ったような気がして。

「宣戦布告。相手がしてきたんだから受けてたちますよね?」俺がニヤリと笑っていうと。

「「もちろんっ!!」」と4人は答えてくれた。

いつかきっと4人とも自分からいってくるだろう。触れるのは怖いけど、その奥には光がある。

でないと俺なんてやってけないって。


何か、俺はこんな夕姫の支えになれればと思った。目的以外の何かも俺を突き動かしているのか、

それはわからない。でもこれだけはいえる。

夕姫、お前は強いよ。それは外見だけを見れば。中身は…どんな大きなものを背負ってるんだ?


…そういえば俺の服の袖が何か急激に溶けていってるような…。

「ぎ、ぎゃあああああああ!!!!!」俺の袖には人間の体溶かします液体が普通についていやがった。



そして無事に俺たちは皆の元へと戻り、俺は奈津に抱きつかれたりされたわけなんだが…

「本当に…すみません…!」郁ちゃんが泣きながら俺に謝っていた。

最初から告白とか色々演技ってことぐらい俺はわかっていた。

え?本当かって?おいおい…俺の波乱万丈な人生をなめるなよ?こんぐらい見破れるっての…。

「あ、そうだ。郁ちゃん!」俺が泣いている郁ちゃんにティッシュを渡しながら言った。

「俺たちの軽音部サークルにこないか?ボーカルが少なくて…困ってるんだよ」

稀穂さんもいるんだが…あの人合宿を一日で飽きてまた海外いっちゃったんだよな…。

「——こんな私でも、いいんですか?」涙ぐんだ目を見て俺はなれない笑顔を出して

「あぁ、もちろんっ!」と、いった。すると郁ちゃんは笑顔を見せて笑ってくれた。うーん、いい笑顔だ。

そして後一日、せっかく海が横にあるというのにこの遊園地の大規模プールで俺たちは遊んだ。

こうして、この奇妙な合宿は終わった。いつまたこんな時がくるかはわからない。だけど…

俺は守ってみせる。この笑顔を。この居場所を。もう、手放したくないんだ。



俺たちの夏休みは終わっていった。…あ、そういえば課題するの忘れてた…。


…死亡フラグ完成、だな。