コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

第54話:体育祭というイベントがあったな、そういえば! ( No.356 )
日時: 2010/09/13 19:14
名前: 遮犬 (ID: cLZL9WsW)

都上との一件がありーの、鈴音ちゃんが壊れーの、仕事増えるーのした後に待ち構えていたものとは。

——体育祭。そう、運動会。時雨祭ともいう。皆さん少しお忘れだったんじゃなかろうか?

そして現在、俺の依存しているクラスである1−2は競技について話し合っていた。

「バカヤロぉおお!! そこはお前っ…! 走れよぉおお!?」

「何をいってるのよっ! 私は手より足使ったほうが強いのよっ! 死にさらせっ!」

またアホな討論が繰り返されているわけで…。

「花多は出てくれるよなっ!? このリレーっ!」一、男子生徒が窓際で読書している男に声をかける。

「あ?どっちでもいい」花多と呼ばれた男は素っ気無く男子生徒に対処した。

「じゃあ参加でっ!「いや、なんでそうなる」花多は不機嫌な顔して男子生徒を睨むが…

このクラスのメンバーは明るいとかそういう次元じゃない。バカ、そうもうなんか色々超えちゃってる。

「参加してほしそうな目だなぁっ、ぉいっ! ということで参加だ! 夕姫、書いておいてくれっ!」

「了解ぃっ!」夕姫もノリノリで消すことの出来ない油性ペンで書き殴る。

「はぁ…」とため息を漏らし、不機嫌な顔をしてまた黙って本を読み始める花多。

「んで奏が紅白リレーのアンカーだなっ!」

「えっ!?」関係ないと思っていたのにいきなり名指しで呼ばれた。

「だって奏って速…かったんだろ? 中学の時っ!」

「バカ野郎っ! 今はもう衰えまくりだわっ!」全力で講義するがそれもむなしく終わり…

俺も花多同様に強制的にリレー参加となった。それも紅白リレー。

紅白リレーは同じ組のやつがワンツーでゴールしたら100点ほど開きがあっても逆転優勝できるほど。

そんな大それた競技に俺が出るのだ。お前ら本当に勝つ気あるのかと問いたい。

数分後…どうやら俺は紅白リレーと混合600m。それと生徒会に所属するものだけがやる競技。


"生徒会仮装リレー"。


「ば、バカなっ!!」思わずこういうセリフを口にしてしまうほどの驚き。

どうやら生徒会所属の人は必ず参加しないとならないようだ。また面倒臭い競技が…。

「あ、それと応援なんだけど私たちはライブで応援することになったから」

「はぃ?」マジで耳を疑った。この人は何をいっているのかわからなくなるほどに。

どうやら昼の休憩時に応援時間というものがあり、その間応援が自由に出来るという…。

これ考えたやつちょっと出て来いっ!俺がたっぷりと説教してやるっ!




そんなこんなで放課後がまたやってきて、俺はまた生徒会室へと向かう。

「また暗号とかないだろうな……?」そんな不安を抱きながらもドアノブに手をかけ、ノックする。

…返事がない。ただの屍…じゃないじゃない、中に入るか。と、思ったその時

「よっ!「うおっ!!」後ろからいきなり肩を叩かれる。見るとそこには都上の姿があった。

「そんな大きな声出してまで驚かなくてもいいじゃねぇか」笑顔で都上は俺にいってくる。

「…ふぅ、で? 何しにきたんだ?」

俺がため息をつきながら言うと都上は自慢げに仁王立ちしながら答える。

「風紀委員長になろうかと思ってなっ!」

「またどうしてそんな急に?」昨日はあれだけ嫌がっていたというのに。

「いや、真希まきが…。じゃなくて、日野崎がな…」頭をかきながら都上は言う。

「日野崎って…昨日話してた入院している人のことか?」中に入りながら俺は答える。

「あ、お邪魔するな? …あぁ。ま、やってみたら? って勧められたわけよ」

「それでなろうと思ったのか? 結構理由が単純なんだな」

俺は初めて人に茶を勧めたがすぐに帰るから、という理由で断られてしまった。あぁ、俺の初めての行為が

「っと…ま、そのことを椿に伝えておいてくれよ。頼んだぜ? 副会長さんよっ」肩を叩きながら笑う都上

何か知らないが都上は憎めるようなキャラじゃないないと思った。俺は適当に苦笑をしながら返した。

そして悠々と都上は帰っていった。そういえば都上って4組だったか?同じ白組か…。

そんなことを思いつつ、自分の入れた緑茶を飲む。

「…苦い」

改めて椿の入れた茶の上手さがわかるのだった。