コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

ちょ、本気で破天荒が可哀想 ( No.387 )
日時: 2010/10/29 22:32
名前: 遮犬 (ID: cLZL9WsW)

「はい。破天荒? ご飯よ〜」

笑顔で破天荒(黒猫)を手招きする有紀さん。そのシーンだけを見れば誰もが微笑ましいと思う画であり、
男子勢としては破天荒が羨ましいと思うに違いない風景。だというのに、破天荒は怯えていた。

「に、ニャァアアッ!」

「どうしたの? 貴方の好きな…ほら、これ入れてあげてるじゃない」

と、有紀さんが破天荒にやるエサを指差したその先には。

…見た目すげぇ怪しい緑と黄色のカプセルが。中身は…うん、いわないほうが身のためなんだろうな。

破天荒を俺たち、有紀さん除く暴風警報は遠い眼で見つめることしか出来なかった。
無理して破天荒の体を持ち上げ、上からエサを口へと流れる滝のように…エサというより禍々しいモノだな
こんな調子だったらマジでケロベロスになってもおかしくはない。



「破天荒、散歩にいきましょうか」

猫なのに散歩を同行させる有紀さん。猫に首輪を無理矢理にはめている。もうムチャクチャである。
破天荒は遠い眼で外でじゃれている二匹の猫を見ている。
(野生の頃に戻りたい…!)と、心の底から思っているのだろうな。

さらには散歩といっても内容はかなり過酷なものだった。

「破天荒! 十万ボルトっ!」

ピカ●ュウでもないのに電気を出せという。

「破天荒! ビックバンアタックよっ!」

サ●ヤ人でもないのに地球を破壊出来るほどの気力っぽい黄色のモノを出せという。

「破天荒! 空を飛ぶのよっ!」

もはや猫や犬という存在ですら見られていないという始末。

「…それでも私の奴隷ケロベロスなの?」

黒猫をケロベロスに仕立て上げようというのが間違っていると思うんだが。
常識というものが通じない有紀さんにいくらいっても全く通用しないのであった。

「じゃあせめて崖から飛び降りましょう」

やめてぇえええ!どこぞのライオンでもないよっ!種類は一緒だと思うけども!

「ニャアア…」

もはや何も言い返せもしないし、何を言っても無駄だと悟ったのか、破天荒はかなり元気が無さそうである
その姿を見て有紀さんは

「トレーニングが簡単すぎたのかしら…ならもっと過酷に…」

あんた鬼かっ!!この表情見て、まだそのような無茶なことを言い出すかっ!

「私と家で秘密の特訓しましょうね♪」

…気になるぅうう!!何の特訓何だぁああ!


「バトルロワイヤルで生き残るための♪」


…少しでも有紀さんに期待などをしたのがバカだったようです。
あくまでケロベロスに仕立て上げたい様子。

…ちょ、本気で破天荒が可哀想だ…。