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Re: *。鏡花水月 -Dream×Mirage- ( No.10 )
日時: 2010/06/08 18:25
名前: 美羽。 ◆ikNc8yUYjM (ID: 81HzK4GC)

*。Episode02 お目覚め

ああ……どうすればいいんだろ、この状況。
自分の部屋の床で、見知らぬ女の子が髪ぐちゃぐちゃにして! 布団抱きしめて!
幸せそうに寝てるなんてさ……。

(誰か、どうにかしてくれ……)

そんなことを思っても、助けてくれる人など誰も居ず。

(……取りあえず起こすか)

こんなに幸せそうに眠りこけている人を起こすのは少し気が引けるけど、そうでもしなくては始まらない。


「おーい、君。起きてー」


軽く揺すりながら言ってみるが、反応はない。仕方がない、もう少しボリュームあげて……


「おーい! 起きろー」


すると少女は片手を大きく振り上げて—————!


「おぉぉかわりぃーー!! ぅふん……ふにゃ……」


何だ。一体どんな夢を見ているんだ、この子。
というか、いい加減起きてくれないと困る。ぼくが寝れなくなるし。ってことで……


「起ぉーきぃーろぉーー!!」

「ふぅわっ!!」


よし、やってやった。大声で叫びながら布団剥いでやったよ……。
少女は変な声を上げて文字通り飛び上がった。

そしてその直後—————


「ごめんなさい!! ごめんなさい、ごめんない、すみませんでした!!」


正座をし、床に手を添え、頭を深く下げて謝り始めた。つまり、土下座と言うやつだ。
でも、こんなに謝られても困る……。無理やり起こしたことに罪悪感わいてきたな。


「あの、もう、いいから。ね、頭上げて」

「……ぐすっ。ごめんなさい」

「えっと、単刀直入に行くけど、何でここで寝てる……?」

「そ、それは! もう、眠くて眠くて……」

「……は?」
 

それが理由か、それが理由なのか!?
「眠い」というだけで人のベッドに寝ることが許されてたまるかー! ってのは置いといて……。


「取りあえず、名前は?」

「……宵宮鏡花で……ぐすっ」


少女、宵宮は服の袖で涙をふきながら名乗った。あー、なかなか泣きやんでくれない。
誰か本当に、どうにかしてほしいよ。