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Re: *。鏡花水月 -Dream×Mirage- ( No.20 )
日時: 2010/06/12 14:45
名前: 美羽。 ◆ikNc8yUYjM (ID: 81HzK4GC)
参照: *。鏡花水月_________それは儚く、消えた幻

*。Episode05 近所迷惑と家出

何故こんな所で……。理解できない。大体、虫とか寄ってこないのか?
窓から身を乗り出して頭から足の先まで目を通してみる。
うん。どこからどうみても普通の少女。庭で寝てること意外は……。

(まあ、庭といってもちゃんと芝生の所で寝てるけど……って)


「そういう問題じゃなーい!!」


朝から大声出して、いい近所迷惑だなこりゃ。取りあえず、まずは起こさないと。

そう思って玄関から靴を引っ掛けてて庭へ出る。
そう言えば、こうやって庭に出るのなんて、何だか久しぶりの気がする。


「おーい、起きろー。朝だぞー。……っ」

「ふはっ…!」


よし、効いた。口ではやんわり言いながら思いっきり揺らす作戦、成功。
宵宮鏡花は腰まである三つ編みをぴょこりと揺らして立ち上がった。
そして決まり悪そうに口を開く。


「お、おはようこざいます……」

「おはよう……って場合じゃないだろ! 何でうちの庭で寝てる!? 自分の家で寝ろーー!!!」

「だ、だって此処はっ」


少女は何かを言いかけ、はっと自分で口を塞いで止めた。一体何なんだ、この人は……。


「此処は? 何だっていうんだ!?」

「いや、その……。私は……」


困ったように口ごもると、少女はうつむいてしまった。
うーん、こうやって言えないところを見ると家出か何かか?
でも、それにしては何も持ってないしなー。


「もしかして、家出とか?」

「え? そ、そんな感じ……なんでしょうか?」


そんな感じ……って、やっぱり家出なのか。
何の準備も無しに家を飛び出てきたのか。それで眠くなってぼくの部屋で寝てたのか。


「取りあえずさ、帰ったら?」

「それは……出来ません」

「何で」

「帰る家なんてありません……」


少女はまたまたしょんぼりと言う。でも、なーんか怪しいんだよなー。全然家出って感じじゃないというか。
でもまあそう言ってるんだから信じてやるか。
もしも家庭内暴力だったら可哀想だしなー。


「うち一人暮らしだからさ、まあ……一部屋ぐらい貸せると思うけど」

「え……い、良いんですか。本当に?」


少女はパッと顔を上げ、目をきらきらさせながらそう言った。
あれ、何かだまされてるような気がしてきた……。


「まあ、食事とか服とかは自分で何とかして」


(どうせすぐ親が向かえに来るだろ)

そう思ったが、現実はそんなに甘くない……と思い知らせれるのはもう少しあとの話。


「私、お水さえ貰えれば大丈夫ですから」

「そ、そうなの?」


水だけ? それで生きていけるのか、こいつ。まあ細っこいしなー。(そういう問題じゃないけど)


「まあ、取り合えず入れよ」


二人で玄関から家へ入る。そしてリビングへ入り、ぼくは愕然とした。
いや、正確にはリビングにある時計を見て愕然とした。そう___________



「遅刻だぁぁぁーーーーー!!!!!」