コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 憂鬱week! / ( No.106 )
- 日時: 2010/08/09 12:29
- 名前: まち ◆05YJ7RQwpM (ID: xixMbLNT)
私はそんなにロマンティック思想な子ではなかった、はずなのに。
いつの間にか彼のことが好きになっていた。彼が私のことを好きと言ってくれた。私は彼と付き合うことになった。一緒に手をつないで帰ったり、公園のベンチで他愛もない話をしたり。そんな毎日がキラキラと輝くような素敵な毎日だった。たとえるならば、そうだ、かぼちゃの馬車に乗ってお城に向かうお姫様みたいな感じ。
でも、所詮その馬車はかぼちゃで。
私は彼に急に切り出した。
別れましょうと。私は心が苦しくなったけど、もう彼とはこの関係ではいられないそう気づいたから。
もう私にはつらかったのだ。いろんなことが。彼と毎日メールしたり話したりすることが。
私の毎日はキラキラしていたはずなのに、いつの間にかその輝きを失っていたのだ。いつの間にかセピアに、そしていつの間にかモノクロになっていたのだ。
可笑しな話だけども、私にはそれほどつらかったのだ。
私みたいな女の子より、もっと恭介には似合う女の子が居るから、私がそういうと恭介は少しだけ辛そうな顔をした。
私は恭介のその辛そうな顔を見るとポロポロと涙がこぼれてきた、おかしいな。私から言ったのに。
どうしてこんなに辛いんだろうね、と私が言うと恭介は分からないとだけ言った。
「でもね、私ね、恭介と一緒にいろんなことできて楽しかったよ。今でも恭介が一番好きだよ、でもね、でもね、」と私が涙をこぼしながら言うと恭介はいつものように私の頭をそっと撫でた。
いつも恭介は私が悲しそうな顔をしていたり、辛かったりしていたら、私の頭を撫でてくれた。
「俺もだよ。杏里」
所詮私の小指の赤い糸はものすごく弱かった。
でも恭介との思い出はずっとずっと、心の中にあって。私の中ではセピアでもモノクロにもならずにいつだってキラキラしているはずだから。
赤い糸よさようなら。
( 切れないと思っていた赤い糸 )