コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: メランコリーハート / ( No.114 )
- 日時: 2010/08/17 15:39
- 名前: まち ◆05YJ7RQwpM (ID: xixMbLNT)
「おばさーんー回覧板ー」
夕方、私は家に回ってくる回覧板を隣の家省吾の家に届けに来た。まあ性格には省吾の家に届けに来た、という形なのだが。
「あらー愛美ちゃん、今晩御飯前なんだけど食べてく?」
「え、いいですよ、大丈夫です」
「いいわよ! 一人増えてもかまわないから」
とおばさんはいつものエプロンをしてにこにこしながら私を入れてくれた。
私はささっと食卓に行く。おじさんが「早く席着きなよ」とまるで家族同然で話しかける。私は笑顔で「はい」と答えて席に着く。なんだろうなんか普通に私の席があるのがもはや家族同然だろうか。
「あ、ねえ、愛美ちゃん。省吾呼んできてくれない?」
キッチンのほうから声が聞こえてきた私が「はーい」と答える。
階段を上がって二回の突き当たりに正午の部屋がある、昔はこの部屋で泊まったり、オセロをやったり夜まで話し込んだりしたこともある。あれです、友達以上恋人未満という関係。
「省吾ーごはん」
私がノックしながら言うと部屋の中から「入ってこいよー」と声がする。私は「うん」と言って部屋に入る。
「あれ、何をしてるの? 省吾」
私がそういうと省吾はどーんといいながら見せた、そしてにこにこしながら私に見せびらかす。
「プラネタリウム……?」
「そうそう、俺今年の夏休みはこれを作り上げるんだ!」
と言って私に説明をし始めた。はあ、と私がため息をつく。またこいつはくだらないことを……と思ったが私も実質プラネタリウムに興味があった。
「今度家来いよ、一緒に見ようぜ!」
「……うん!」
シーンとなった部屋。省吾がスクっと立った。私が驚いていると省吾がじっと私を見た。
私の胸はなぜかどきどきしていた。何でだろう、こんなに胸がなるのは。とめられない、どうしよう。
「……愛美、好きだ」
省吾の部屋の窓からは一筋の流れ星が輝いていた。
( 幼馴染のプラネタリウム )